私は基本的にこれらキャラクターの存在意義を認めていないのだが、その最大の根拠は「全角と半角は違う文字コードである」ことにある。つまり、人間が扱う上では同じ文字として処理し、コンピューターによる処理でもそうあるべく期待するものが、コンピューターにとっては違う文字であるために期待した動作をもたらさない。例えば検索の時など、正確を期すならば全角と半角の両方で結果を表示する必要がある。
しかし、今や検索エンジン側で全角半角の混在に対応するようになっており、その種の不便はあまり意識されないようになって来た。そうすると全角英数や半角カナを禁じる意味はあるのだろうか。
そこで、様々な事例での全角半角の処理を調べた。
ケース1:Spotlight
Soptlightとは、MacOS 10.4から採用された、強力な検索システムである。OS8のSherlockから始まったAppleの総合検索システムの集大成とも言うべきもので、従来のようにファイル名からの検索だけでなく、予め収集したデータを元にファイル内部の文字まで検索する事ができる。
これを使って文字列検索した結果を比較した。
全角英数と半角英数
いくつかの単語を全角英数と半角英数でそれぞれ検索し、結果を比較した。
表示順に違いが見られるものの、いずれの場合でも抽出されたファイル数は一致した。結果として内部で置き換え処理されており、検索内容に差異はないものと思われる。
全角カナと半角カナ
検索結果は概ね一致するものの、抽出ファイル数に数件の違いが見られ(試行の範囲では常に半角カナの結果が少ない)多少の不利が認められる。
ケース2:Winのファイル検索機能
Windowsに文書内検索機能があるのかどうか不明だが、少なくともWin2000/XPでは機能の存在が認められなかったのでファイル名検索のみ。
全角英数、半角カナとも半角英数や全角カナに置き換えられて検索結果が表示される事はなかった。
ケース3:Webサーヴィス
はてなダイアリー、関心空間、mixiの3箇所での検索結果を比較する。
全角英数と半角英数
検索数は完全に一致。はてなダイアリーでは全角検索時はキーワードからの検索結果が表示されなかった。
全角カナと半角カナ
検索結果に顕著な違いが見られる。はてなダイアリーでは全角半角の区別なくマッチングが行われているようで大きな違いではなかったが、半角検索時はキーワードからの検索結果が表示されなかった。
総評
様々といいつつたったこれだけの実験だが、少なくとも現行Windows環境での不利益とWeb上での不利益は確認できた。
ところでMacOSではデフォルトで半角カナ入力ができないようになっている。言語環境の設定を変更すれば入力も可能だが、そうでない限り基本的に(カナ入力→F8などでも)半角カナには変換されない。
大変喜ばしい設定だが、残念ながら全角英数については入力モード上切ってあるにも関わらず変換できてしまう。10.5ではその辺りも改善されたい。
あと、今回のテストでいくつかの単語を半角カナで入力したところ、変換候補に出現するようになって大変鬱陶しいのだがこれはどうやって削除するのだろうか。