或る木通の無惨なる死

気付いた時、机上に鎮座していたはずのそれは絨毯の上で見るも無惨な姿を晒していた。横腹には風穴が開けられ、周囲には一面、臓物の残骸と思しき種混じりの粘液が飛び散っている。
惨劇の犯人たる我が娘はにこやかに父に駆け寄り、抱擁を以て殺害行為の名残を感染させた。既に酸化して褐色に変化したそれは甘く皮膚と布地にこびり付いて剥がれない。