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バトルブレイク対戦環境妄想

バトルブレイクはなかなか面白いゲームだし、コレクタブルなゲームとしては比較的に金のかからぬ構成だが、しかし実際のところ普及率は芳しくないように思われる。理由は恐らく単純で、「プレイ風景が目に止まることがないから」。


コレクタブルなゲームは各自がコレクションの抜粋で戦術を構築してくる点に面白さがあるので、他に買っている人が身近にいて一緒に遊べないと盛り上がらない。つまり友達同士「あれ面白そうだな」と話題になる必要があり、それには「プレイ風景の目撃」が重要になる。
プレイ風景の目撃には2種類の筋道があり、ひとつはTVなどで情報が取り上げられること、もう一つは売り場近辺での対戦環境である。


情報メディアに乗るのに一番確実な方法は「レギュラーコンテンツに組み込まれる」ことだ。つまり、漫画化して雑誌掲載するとかアニメ化して放映するとかいった方法である。これはコレクタブルゲーム以前からおもちゃ業界では一般的に行なわれてきたことで、アニメとのタイアップは確実に子供達の共通の話題を作り購買欲を促進する方法であったが、コレクタブルゲームではその利点が顕著に現れる。アニメ内でプレイ風景が描かれることによって子供らはゲームの魅力を理解し、その面白さを話題にし、また親に存在を認識させ、購入・対戦に至る。
一度流行すれば、そこかしこで対戦風景を目にすることが増える。実際、遊戯王などは公園のベンチやフードコートのテーブル上などで持ち寄って対戦するのがよく目撃される。子供たちの間でのシェアが高まれば対戦相手には事欠かず、それが更なる購入を促進し、売り上げと視聴率はアニメの続編を約束し、それがシェアを押し上げる。
逆にメディアコンテンツ化を果たせない場合、話はぐっと厳しくなる。
売り場で大々的にアピールしたとしても、ちょっと興味を引いただけではなかなか購入に至らない。自分だけが買っても遊べる相手がいないのではどうしようもなく、皆の話題となるには余程強いアピールがなければならない。たとえニュースとして取り上げられることがあるとしても一回性のもので、継続的な露出には程遠い。
しかし現実問題、アニメには金がかかる。シビアな制作予算、クオリティとコストの板挟み、アニメ業界の現状 | アニメニュースJapanimate.comによれば1話30分で1100万、1クール12話程度としても1億3千万。これはアニメそのものの制作のみにかかるコストであり企画にかかるコストや宣伝費などは含まれていないので、実際には2億以上だろう。1クールではたった3ヶ月で終わってしまうので、せめて半年2クール分として3〜4億、1年4クールなら5億以上か。
それらがすべてメーカ持ちになるかどうかは知らないが、何にせよ初期投資がかなりキツいというのは確かで、既にヒットが確実視されている人気漫画原作であるとか実績あるシリーズの新作といったことでもなければ、おいそれと仕掛けられるものではない。
バトルブレイクは当初からVジャンプとのタイアップ企画やコミック連載などメディア連携を仕掛けているものの、Vジャンプの発行部数はコロコロコミックの1/5未満とはっきり言ってマイナーメディアであり(バトルブレイクの主たるターゲット層である小学生の購読誌で比較すると立場が弱いが、ゲーム系に力を入れた雑誌として他のゲーム専門誌と比較すればむしろ発行部数の多いメディアである)、その誌上に於いてもむしろ競合と言える遊戯王などの扱いが大きく、決して恵まれた状態とは言えない。アニメ化についても独力で作り込まれた1話を無料公開しているが、特にTV放映などの予定はなく、露出の点では些か厳しいと言わざるを得ない状態にある。


では他の方法で「プレイ風景」を見せ、プレイ機会を増やすにはどうすれば良いか。
一番良いのは恐らく「売り場にプレイ可能な環境が用意される」ことだが、単にスペースがあれば良いというものではなく、ふらっと立ち寄った人に体験させるだけの構えが必要である。つまり複数人の係員がルールの解説、体験プレイのセットアップといったことを行なわねばならない。
一過性のイヴェントとしてならばともかく、恒常的に人員を配するとなればかなり厳しい話になるだろう。専門に人材を教育し、各地の店舗に数名を常駐させ、また店舗から売り場面積を借りる必要があるので、1店舗あたり月に数十万程度のコストがかかる。それを上回る利益がが確保されてからの話ならばともかく、序盤の立ち上げでそれをやるのは難しい。


例えばTCG類は(最近ではおもちゃ売り場でも取り扱われるほどに普及したが)原則として専門のホビーショップなどで取り扱われ、また正規流通とは別に開封済みのシングル流通市場が成立している。こうした店ではしばしば店内にプレイスペースが併設され、単なる売買の場のみに留まらずゲームそのものの活性化を含めた生態系が確立している。
この点で、ホビー専門店ではなく一般おもちゃ売り場を流通経路としたバトルブレイクは不利と言える。いや、商品の性質上マニア向けとしないのは正解なのだが、それが故に魅力を伝道し難いというのは皮肉な話だ。
恐らくこういったことはメーカーも認識していて、だからこそ体験イベントの全国巡回などを積極的に行なっているのだろう。一定の効果はあると思うが、一過性であることも確かで、やはり恒常的なプレイ環境の構築を期待したい。


いっそ「ポケモンバトリオ」のような、フィギュアを読み取って遊べるアーケードゲームでもあれば……とも思う。子供たちがおもちゃ屋に集まり、遊び、他人のプレイや所有フィギュアに刺激されて次を購入する、という流れができると理想的なのだが。
ただ、バトルブレイクのフィギュアはそれを前提に設計されていない。台座の下に識別コードがあるわけでもICチップが埋め込まれているわけでもないので、積み重ねるフィギュアを読み取って識別する仕組みは些か敷居が高い。カメラでフィギュアを画像認識されるような手もあるが、今度はリペイントや改造に対応できない(この仕組みのメインターゲットである子供たちがそこまでやるか、という問題はあるが)。それに城コインの効果なども考えると、やはり映像的な認識では限界がある。
それ以前にゲームとして別物になってしまうだろうという懸念もある。10体で城4hitを狙うゲームだと早くて10分、展開次第では30分近い時間がかかると予想されるが、これはゲーム機の回転率としては悪過ぎる。従って専用に、例えばフィギュア3体ぐらいでの別レギュレーションを用意するなどが望まれるが、そうなると今度はフルセット対戦層との完全な分離が生じかねない。
まあこの辺りは全くの空論だが。


とまれ、まだまだ認知度の低いゲームであるので、プレイヤーが積極的に周辺へ「布教」するしかあるまい。
差し当たってプレイ動画でも作ってみようか。