ボーダーブレイク:重火力武器OH管理火力考察

重火力兵装は全体にマガジンあたりの装弾数が多くリロード頻度が低いため、腕のリロード速度を捨てて反動吸収を高められる利点がある。その一方で1マガジン撃ち切りよりも先にオーヴァーヒートが発生することで実質的な継続火力はそれほどでもない。
OHさせてしまうと強制冷却により数秒の間射撃できなくなるが、その直前で射撃を止めれば冷却時間が短かく済み、火力密度が上がる。あるいは連射を継続せずに細かく断続させることで、火力密度をほとんど損うことなくOHを避けて火力を継続させる方法もある。いわゆるOH管理の概念である。
「OHまで撃ち続ける」という前提で火力グラフを描いたことはあったが、OHを起こさずリロードまでを撃ち切った場合の火力比較を試みたい。


まず、OHする武器のスペックを書き出す。

名称 威力 総弾数 連射速度 OH耐性 OH復帰時間(非OH時) リロード時間
ウィーゼル機関銃 350 180x8=1440 650/min 60発 2.8秒(2.4秒) 3.0秒
ウィーゼル機関銃R 330 200x8=1600 660/min 86発 3秒(2.5秒) 3.0秒
ウィーゼル・ラピッド 340 220x7=1540 720/min 49発 2秒(1.8秒) 3.0秒
GAXガトリングガン 170 320x7=2240 1500/min 138発 4秒(3秒) 3.5秒
GAXエレファント 370 240x5=1200 800/min 74発 4秒(3秒) 3.5秒
GAXウッドペッカー 160 380x6=2280 1500/min 250発 5秒(4秒) 3.5秒
GAXダイナソア 260 300x6=1800 1200/min 100発 4.2秒(3.2秒) 4秒
単式機関砲 1320 30x9=270 200/min 17発 3.1秒(2.4秒) 3.6秒
単式機関砲・改 1060 40x9=360 230/min 24発 3.6秒(2.8秒) 3.8秒
双門機関砲 800 64x7=448 350/min 24発 3.4秒(2.7秒) 4秒
双門機関砲・怒竜 620 70x8=560 400/min 43.3発 4秒(3.2秒) 4.2秒

この表から、次のことが判る:1発あたりの熱量と1発あたりの冷却時間、及び熱1%あたり火力である。
これをまとめると以下のようになる。熱損失火力は、OHさせた時とさせない時の冷却時間差により生じる火力差。GAXでは実質的に回転停止による更なるロスがあるので括弧内に纏めた。また火力値は損失時間に本来撃てた筈の弾数を整数値に繰り上げた上で火力を掛けてある。

名称 発射熱量 冷却時間 比熱火力 熱損失火力
ウィーゼル機関銃 1.67% 0.04秒 210 1750
ウィーゼル機関銃R 1.16% 0.029秒 282 1980
ウィーゼル・ラピッド 2.04% 0.037秒 167 1020
GAXガトリングガン 0.72% 0.022秒 236 4250(6290)
GAXエレファント 1.35% 0.041秒 274 5180(9990)
GAXウッドペッカー 0.4% 0.016秒 400 4000(8800)
GAXダイナソア 1% 0.032秒 260 5200(14560)
単式機関砲 5.88% 0.141秒 224 3960
単式機関砲・改 4.17% 0.117秒 254 4240
双門機関砲 4.17% 0.113秒 192 4000
双門機関砲・怒竜 2.31% 0.074秒 268 3720

ラピッドはOHさせてもさほどロスがない。逆にGAX系は空転の分だけOHによるロスが長くなる。


次に、OH管理による継続火力とOH回復を待った場合の火力をグラフ比較してみよう。

これはウィーゼルの例だが、どの武器でも元の火力線に対する割合としては大差ない。ここではOHゲージ3本まで溜まった時点=熱量75%で射撃を中止し2本に下がった時点=50%からまた射撃を開始するという前提で見ている。最初の冷却でこそ最大火力を下回るが、OH冷却を待っている間に継続射撃できる分で累積火力が3段分ほどの優位性を得ているのがわかる。この後、射撃が継続すればするほど撃ち切り火力を凌駕することになる(とはいえマガジン交換により強制的に停止するし、そもそも十数秒も連続射撃するような状況が生じることは稀だが)。
ただし、ガトリングの場合はこの限りではない:射撃停止に伴い回転も停止するため再始動までに間が空くからだ。とはいえOH冷却待ち状態と違って完全停止しないため、射撃しない程度に回転速をコントロールできるならばほぼ空転ロスなしの射撃が可能になるだろう。この点、GAX系統は他よりもむしろOH管理の重要性が高いと言うことができる。