砂上の空論

凡そ3ヶ月ぶりにマップが「スカービ渓谷〜戦線突破〜」に戻った。正式稼動直後のマップであり、現在はD5の新兵教練にのみ使われていたものだ。
幅が狭く距離も長くない、直線的で障害の少ないマップ構成で、複数の屋根により榴弾の有効性が低く、高台からのカタパルトでコアへ接近し易い。狭いので6vs6と参加人数も少ない。
当時はまだAC慣性保存の全盛期であり、全員が強襲機で2〜3回のジャンプでコアへ直行し最速で削る展開が横行し「軽装の強襲機以外は不要」とすら言われたものだ。
AC慣性保存の無くなった今、どんな展開を見せるかと思ったのだが……

あんまり変わってない。基本全麻全凸、酷いと100秒未満で決着。


あまりに防衛無視の全員コア攻撃戦術が有効なので両陣営ほとんどそれしかやらない感じになっているのだが、果たしてそれだけが唯一絶対の戦術なのだろうか。


全員が防衛を完全に捨てコア攻撃だけに専念すると仮定する。
コア攻撃の必携アイテムである41型手榴弾はダメージ12500。1発あたりリロード1.4秒×シュライク2腕の性能補正で1.12秒。武器変更にかかる時間は倍率しか示されておらず、武器ごとに差が生じるのかどうかも明確でないが、ひとまず基本1秒×性能補正だと仮定すると0.8秒。すると効率の点で最良の手段は41手榴弾×3発投擲後持ち替えて射撃ということになる。
なお秒間最大火力はヴォルペ・スコーピオの4995だが、3点バーストのため自力連打が必要となり、スペック通りの射速は出ない。体感的に概ね8割と考えると3996、それでもサーペントを僅かに上回る。
さて、ここまでの合計で最初の投擲からの火力推移を考えると、概ね2.5秒で37500ダメージ、持ち替えに1秒、以降1秒あたり4000ダメージ(5秒ごとに1.6秒リロード)程度の増加が見込めることになる。


上の動画は恐らくコア凸最速の部類だと思われるが、これを見る限りベース出撃から敵コアに最初の攻撃が成立するまでの最短時間は約30秒。プラを一切取らずにコアまっしぐらの場合、リスポンで毎回それだけのタイムロスを生じる。
逆に敵ベース前を確保してのリスポンではコアまで10秒。ということは、途中プラを押さえられるかどうかでロスタイムに20秒もの差が生じるということだ。撃破からリスポンまでのペナルティ10秒は共通なので差時間は2倍、と考えると実質的に前プラからのリスポンとベースリスポンではコア凸ののべ数は倍ということになる。


凸の基本コースであるリフト台カタパルトコースでは、実質的に途中で占領し得るプラントは敵ベース前のみ。占領による一時的なロスタイムは最速コア凸派には痛いが、第2波以降の速度を考えるとこれは占領しておくべきだ。逆に防衛派はここを絶対に押さえておかねばならない。
また中間カタパルトまでのリフトはコア凸最大のアキレス腱と言える。ここを経由しない場合はコアまでの走り抜けに時間を要し、経由する場合はリフト使用中まったく無防備になる。
すると基本的な迎撃ポイントはベース、前プラント、高台の3箇所になる。3機が防衛に、3機が占拠とコア凸に回るとすると、実質2倍効果でコア攻撃力に大した差はない。しかも迎撃によりベース到達前に何機か減らせる可能性は高く、結果としてむしろ有利に働くのではないだろうか。
なお防衛要員だが、高台はカタパルト/リフトの地雷封殺と到着位置での接射ワイスマで支援機が適任。ベース前プラントは重火力か、高台を活かして狙撃。ベースは重火力か強襲といったところだろう。


この構成だと全麻全凸戦術よりも優位に立てるように思われるが、いかがだろうか。