iPhone 3GSをしたり顔で解説すると

ハードウェア面で見ると、主な変更は

  1. 高速化
  2. カメラ300万画素化、タッチパネルAF化、動画撮影機能実装
  3. 音声認識+音声読み上げ
  4. 電子コンパス内蔵
  5. 低電力化
  6. 容量倍増

ぐらい。これに加えてiPhoneOS3.0による機能追加が大きな目玉になるのだが、そこはiPhone3Gユーザなら誰でも得られる改善なので、事実上ここに挙げたものが旧製品との差になる。


高速化は主なアプリの起動/動作について2倍〜3倍程度。今もったりした印象を受けているなら改善されるだろう。ただ、軽く触った限りでの印象であるが、基本的にリアクションが巧く表現されているために現行機種でも特段に「重い」という感じは受けなかったので、それほど重要な点ではないかも知れない。
あるとすれば、今後3GSを前提とした重めなアプリが多数登場して現行ユーザがちょっと困る……といった感じだろうか。


カメラは無限遠焦点からAFになった分、表現力が向上している。分解能としても1.5倍、またタッチパネルAFにより「画面を見て触れた部分にピントを合わせる」ことができるのは使い勝手が良い。まあこんなものはタッチパネル式のデジカメでは数年前から標準機能なのだが、ひとまずそこに追い付いたということだ。
画質や特徴的な「歪み写真」については今のところ不明だが、新たに動画撮影に対応したのは大きい。まあ今のところそれを活かす術に欠けるのだが、ほどなく周辺で対応が進むだろう。


音声認識+読み上げは普通そんなに使わないと思うが、地味に大きな改善だ。これまでiPhoneはしばしば「ボタンがないため盲人が手探りで使えずユーザビリティに欠ける」と指摘されてきたが、音声入力及び読み上げがあればその問題は解決する。──もっとも、多言語対応の可能性は低いように思うが。


電子コンパスGPSアプリにとって非常に重要だ。GPSのみでは基本的に位置しか把握できないため、例えば向きを検知して地図を回転表示しながら案内するようなアプリ(EZナビウォーク/ナビタイムでお馴染の)を作ることができなかった。
GPSだけでなく単純な向き連動アプリの可能性も拡がる。それだけでなく電子コンパス=磁気センサであるので、ひょっとしたら磁力を検出するような何かも考えられるかも知れない。


最後に電力。連続通話時間こそ変化ないが、それ以外の動作は軒並み長時間化している。ということは、

  1. バッテリ容量には変化ないが各機能を低電力化した
  2. バッテリ容量が上がった分各機能の動作時間が延びたが、通話は高速化に伴い消費電力も増えた
  3. 両方

のいずれか。なんにせよ動作が長時間化したのは歓迎すべきことだ。半日連続稼動するのであれば困ることはほとんどないだろう。


容量のことを忘れていた。iPhone(初代)発表前のiPod最大容量はたしか20GBだったと思うが、漸くこれを上回る機種が登場したことになる。いや実はiTunesのライブラリが既に20GB越えて困っていたので、これは本当に待ち望んだ「機能」だ。