Amazonの「おすすめ」機能はもうちっと何とかならんか

いつぞや、Web2.0的な成功例としてAmazonのおすすめを挙げた。けれども実際のところ、成功例でさえ満足できる精度には程遠いのが現状だ。


Amazonのおすすめは要するに、購入済み商品の類似性が高いユーザ同士を抽出し、互いがまだ持っていないものを薦める仕組みだ。似たような趣味の人が所有する商品なら興味を惹かれる可能性が高い、という基本仕様は間違っていないと思うが、残念ながら結構な確率でハズレ商品も薦めてしまう。
原因は色々考えられるが、その一つに「人を基本単位として構成していないから」ということがあるような気がする。


前述エントリのコメント覧でこじまさんも仰有るように同じ作家の本は自動レコメンドされてもユーザとしてはうれしくない。面白かった作家の作品はユーザ自らが能動的にチェックするものだから、おすすめに挙げる理由がないのだ(新刊お知らせは別機能として実装すべき)。
また、作家単位を基本とすると、不要なおすすめを一括で削除できる利点もある。特に週刊少年漫画あたりの、やたら巻数ばかり多いものを全削除するのはかなり骨なので。
無論欠点もあって、「駄作の中に数少ない傑作を持つ作家」などの場合にもその傑作が除外されてしまうのだが、ノイズに混じって真性情報が見過される危険が同程度であるならノイズに悩まされない分全削除の方がマシというもの。


いっそおすすめ処理の基本構成単位も人を基準単位にしてしまう方法もある。つまり所有本リストを公開、類似ユーザを提示するに留め、ユーザ自ら他のユーザをお気に入り登録することでリストの相互参照を行なう方法である。自分で「信頼する人」を決めるので、そこに混入するノイズに苛つかないという利点もある。