転載機能じゃなくて要約引用機能にするとか

以前から問題視されていたYahoo!ブログの転載機能であるが、ふと思いついたことがあるのでちょっと書く。


転載機能をYahoo!ブログ外のユーザから見たときの疑問は「何故転載せねばならないのか」という一言に尽きる。転載機能は転載内容を一字一句変更することができず、またそれに対する追記なども不可能であるらしい*1。つまり単純にコピーを作成する以外の何者でもない。
元情報と一字一句変わりがないのならば、単純にいって元情報を参照するよう指示すれば済むことではないか。アクセスが集中し過ぎたためにわざわざミラーを用意するのでない限り、情報の複製を行なうに足る正当な理由はなさそうに思われる。
これがせめて「引用」の形で示され、その外側に自由に追記できるものであれば(全文引用のみという乱暴なシステムではあるにせよ)引用した内容について言及するという点で意味のある使い方ができるように思うのだが、それにしたところで適正な対応としては引用元を明記して部分引用の上で言及、そして元記事にトラックバック、であるべきだろう。追記さえ不可能な転載機能は、コメントもなく1行URLを示すのと同程度に意味がない。


つまり、転載機能には「転載者が何を伝えたいのか」という視点が抜け落ちているのだ。
あるブログを閲覧するユーザ、とりわけリピータは、恐らくそのブログの書き手の考え方を吸収するためにそれを読むのだろうと考えられるが、転載記事にはその「考え」がない、或いは薄い。書き手はその記事内容を、実は批判したかったのかも知れない。或いは感銘を受けてそれを広めたかったのかも知れない。もしくは触発されて何か新たな発見をしたのかも知れない。けれども転載で終わってしまうから、それ以上の情報が伝わってこない。
それはまた、転載された元記事の著者にとっても同じことだ。転載者が記事のどこに反応してそれを転載したのか、そういう「反響」が伝わらない。誰かがはてなブックマークと対比させていたが、いずれも「元の記事を広く知らしめる」という点で非常に似ている。けれどもSBMはタグとコメントによって朧気ながらも反応が伝わるし、情報の集約により端的に広まり易い性質を持っている。同じことを目指しているのであれば、SBMの方がずっとスマートだと言える。


で。
転載したいのならRDFを「引用」してはどうか。ブログの本文で機能するモジュールとして、特定記事のRDFからHTML整形したデータを差し込む表記を実装する。最初の数百文字程度を表示して残りを「続きを読む」リンクとし、ブログ側の設定で全文出力としてあれば全文をそこへ展開、そうでなければ元記事のURLへジャンプ。これならばYahoo!ブログ内に限定される理由もなく、Yahoo!ブログからの転載や外部からYahoo!ブログへの転載なども問題なく行なえる。あくまで本文に1行差し込んでの引用表示なので、それ以外の部分は自由に編集可能。


もっと言えば、「引用して言及」機能が欲しい。RDFを行単位または句点単位ぐらいで切り分けて番号表示、その番号を指定して自動引用するようなイメージ。はてなの引用表記機能は>>/<<だと手軽だが引用元情報が盛り込まれず、blockquoteタグなら引用情報表示可能な代わりにちょっと記入が面倒だ。
あ、その程度なら「引用ブックマークレット」か何かでなんとかなりそう?ページを表示させて実行すると、ダイアリーにblockquoteタグ+cite属性・title属性自動差し込み、本文を全文引用する。その後に不必要部分を手動で削るイメージで。

*1:利用経験がないのでユーザ記事による伝聞情報である