行頭一文字空け

 かつて文章の書き方は「段落初行一字アキ」が原則であり、すべての印刷物に適用されましたが、ネット文書では約一割しか見あたりません。 まさに絶滅目前ですが、あなたの見解や考察を聞かせてください。 (キーワードは「段落・行頭・一字下げ」で検索できます)
行頭を一文字インデントするというルールがいつごろ制定されたものか判然としないが、明治初期頃までの手書きの文書などを見ると特にインデントされていないようなので、これは印刷による出版に伴う変化と考えられる。恐らくは洋書の文頭大文字に倣ったものか、若しくは原稿用紙の利用により作家が段落を明示する形で出現した表記法ではなかろうか。
印刷物では1行あたりの文字数が規定されているし、見た目で構造化を図る必要があるからこうしたルールは有効だが、文字表示が不定で別の方法により構造化可能なWebに於いては意味がないばかりか、不要な空白文字を含めるのは適切ではない。必要であればCSSによりインデントすべきだが、text-indentは通常、段落ごとに冒頭を下げるだけで、段落内の改行については適用されないので本来改行であるべきところまで段落の変わり目として扱うか、逆に段落内では改行しないかという選択を迫られる。
いずれ100年程度のごく歴史の浅いルールであるから、「美しい日本語」のために殊更拘るべきものとも言えまい。