主観の問題

ここ数年、特定商品の広告について毎回色味にクレームが付いている。
特定商品、はっきり書いてしまえばアメリカンチェリーなのだが、その色が「腐ったようで」印象が悪いというのだ。
確かに商品写真は赤黒い。しかしそれはアメリカンチェリーそのものの特徴なのであって、傷んだ実を撮影したわけでもなければ調整に失敗して不味そうに見えるわけでもない。
尚且つ、その修正指示がはっきりしない。いや、クライアントは画像については無知なのだから、具体的に色味の調整を指示するのが不可能なのは仕方ないことだろう。しかし、それならそうで「美味しそうに見える色」の見本なりとも示して頂かないことにはコンセンサスが得られない。
というわけで、これまでの仕事としては前代未聞であるが、元画像からカラーヴァリエーションで色味を補正した見本を作成中。これを元に指定された色味に忠実な出力をして、「なんか色が悪いな」「いえご指定の通りです」と言ってやりたい。