そろそろオープンソース環境が実用的になってきた

LinuxベースのOSS環境の実用性をアピールする記事2点。

勿論色々と突っ込みどころはあって、例えばインストールや設定まで利用者がやっているわけではないとか、WebブラウジングOOoでのちょっとしたドキュメント作成程度なら誰でも/どの環境でも簡単にできるだろうとか、そう言ってしまえばそれまでなのだけれど、そもそも「自治体におけるオープンソース・ソフトウエア活用に向けての導入実証」なのであるから「Linuxの方がWinより簡単」かどうかは重要ではなく、「LinuxでもWinと同程度に使える」ことさえ実証されればそれで良いので、その意味では批判として的外れであろう。
実用性の面では「心配していたが,Windowsとほとんど違わない」「どちらが劣っているとか優れているということはなく,問題は『慣れ』というのがほとんどの職員の意見」「1万7150点の教育用コンテンツを調査したところ,97.3%のコンテンツがオープンソース環境でも問題なく利用できるという」など、好材料が出てきている。
一部機材についてドライヴァー未提供などで利用できないといった事例はあろうが、それでもかなりの部分がLinuxのコミューンによって解消されており、またシェアさえ増えればメーカー自らが対処する筈であるからそれほど心配あるまい。


ビジネス関係でMicrosoftのシェアが圧倒的に多い(とりわけ日本ではその傾向が強い)のは、互いの取引先がMS製品を使っているからというのが理由の殆どを占める。デファクトスタンダードに従っておけば互換性の問題が生じず、ファイルのやり取りなどもスムーズに行くということだろう。それ以上の意味があるケース-----Linuxなども含めて社内環境について検討の上で、敢えてWinを選択している例-----を寡聞にして知らない。
逆に言えば、官がみなOSS環境に移行すれば、官と取引のある企業もそれを考慮せざるを得なくなり、OSS環境の採用が劇的に広まる可能性が考えられる。無論そのためには社内システムの改修や置き換えに伴う教育/サポート問題などの「痛み」が発生するから、すぐに各社が採用に踏み切るということにはならないだろう。だが、オープンソース故にライセンス費用が不要になることの長期的なメリットを推進派がきちんとアピールできれば、改革は不可能ではない。
乗り換えが容易なのは小さな会社の方だが、実際にはIT系に強い大会社から乗り換えが進み、そのニュースで更に加速する……といった構図になるような気がする。


愛着を持って語られることの多いMacの場合はさておき、Winはあくまで道具である。その道具で何ができるか/できないかだけが問題であって、Winである事自体に何ら価値はない。道具としては、機能が同等なら安い方を選ぶのが営利企業としては当然の姿勢だ。
しかし残念ながら、一般個人にまで広まるには更に時間を要するだろう。LinuxにはWinのようにプレインストールモデルが殆どないし、いざという時にリストアする手段もWinより知識が要る。なにより……エロゲが動かないから。