ゲートボールについて

キーワードリンクを辿ってみたがゲートボールについての言及は概ねネガティヴというか、精神年齢チェックだかなんだかの他も殆どゲームそのものへの言及ではなく老人性を表すキーワードとして使われているばかり。
どうやら世間に於いてゲートボールの面白さはさっぱり理解されていないようだ。確かに年寄りのスポーツという印象が強かろうが、体力的負担の少ない完全交代制プレイでありながら連係プレイや妨害の要素をきっちり取り入れ、計算と駆け引きのシビアなゲームなのである。馬鹿にしたものではない。実際にプレイしたら熟達した老人には全く敵うまい。


簡単にルールを紹介すると:

  • 5対5で受け持ちのボールの番号順に一人づつプレイ。1〜10まで番号の振られたボールは奇数が赤、偶数が青に分かれており、これが所属チームを表す。
  • コートには3つのゲートと中央にゴールポストがある。螺旋状にコートを巡りながら順番にゲートをくぐり、最後にゴールポストに当てるとゲート1つにつき1点、ゴールで+2点、一人当たり5点を得ることができる。
  • 一人が1回に打てるのは1打のみだが、ゲートをくぐると+1打、他のボールに当てると+1打のボーナスが貰える。
  • 他のボールに当てると、自球と当てた球を並べて足で踏み、自球を打つことでもう一つの球を弾き飛ばすことができる。これをスパークボールという。
    スパークボールを利用して敵チームの球をコートから追い出し、また自チームの球をゲートを通し易い位置へ持って行くことができる。
    尚、1回の手番で同じボールに2回以上当てることはできない。当ててしまうと反則となり、自球を直線位置で一番近いラインの外にアウトボールさせねばならない。
  • コート外に出されたボールはライン上から打ってコート内に入れる。この時ゲートをくぐったり他の球に当てることはできない。


スパークボールこそがゲートボールの華である。プレーヤー同士の直接的な接触のないシステムでありながら味方との連携と敵の妨害を両立することで、体力のない者でもできる軽いゲームであるのに激しい駆け引きが楽しめる。


これを読んでやってみたくなった……という方がどれほど居られるか判らないが、老人チームに混ざってプレイするのも気が引ける(若者は歓迎されるようだが、平日の午前中にやっていることが多いのでなかなか参加できない)とか近くにできるところがないとか、はたまた道具を揃えるまで踏み切れないとか、色々な事情もあろう。そういった向きにはグラパックジャパンのaeronautシリーズにあるボードゲーム版をお薦めしたい。
ゲートボール



ところで何故、様々な競技を放映するNHKがゲートボールを取り上げないのか。結構見ていて面白いのではないかと思うのだが。