読了

ロバート・J・ソウヤー「イリーガル・エイリアン」(ISBN:4150114188
知る限り唯一の、法廷SF。そしてファースト・コンタクト。


人類は初めてエイリアンと遭遇した。四光年あまり彼方のアルファケンタウリに住むトソク族が地球に飛来したのである。ファーストコンタクトは順調に進むが、思いもよらぬ事件が起きた。トソク族の滞在する施設で、地球人の惨殺死体が発見されたのだ。片足を切断し、胴体を切り裂き、死体の一部を持ち去るという残虐な手口だった。しかも、逮捕された容疑者はエイリアン......世界が注目する中、前代未聞の裁判が始まる!
本作はミステリーであると同時にSFである。殺人を検証するにはトソク族の生態や心理を知らねばならない。彼等はどのような星に生まれ、どのような生活をし、どのような政治形態を持っているのか?
流石はこんなこともやっているソウヤー、実に魅力的かつ説得力のある異星人像であった。


それはそうと、訳の問題なのか原文の表現なのか不明だがちょっと引っかかっているのが「トソク族」「トソク人」じゃないのか?族だと所属集団の違い程度の印象があるのだが。どうなんだろう。