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バトルブレイクというゲーム

去年の8月頃に買って、しばらく放置気味だったのだが、最近また遊んでいるので紹介しておこう。少数のミニチュアフィギュアを使ったコレクタブルな対戦ゲームである。
バトルブレイク BattleBreak | バンダイ公式サイト


ミニチュアゲームと言えばウォーハンマーメイジナイトなどが有名だが、必要なフィギュア点数が非常に多かったり塗装が必要だったり、また1体あたりの価格がかなり高かったりと大人の趣味としてはともかく広くプレイされるゲームにはなり難いものだった。
そこへ低価格ミニチュアで乗り込んできたのがバトルブレイクである。フィギュア価格は(販売形態によるが)200円あるいは315円、必須の戦闘判定用サイコロやコイン、ボード、それに充分強力な4体をセットしたスターターが1260円×2種。正式ルールでは10体必要なのでそれなりの数を買い足すとしても、恐らく5000〜6000円程度あれば充分に対戦できる量が集まる。それだって子供が買うには決して安くはないが、他のミニチュアゲームが2万スタートであることを鑑みれば格段に安価ではある。また販路がホビー専門店ではなくおもちゃ売り場とカプセル自販機であるため流通範囲が広いのも特徴で、概ね若年齢層に対象を広げ得る要素は備わっていると言えよう。


ルールを概説する。
このゲームの特徴はコインにある。コインはゲーム前に10枚をストックし、1枚づつ引いて使う。フィギュアの下にレベル分だけ付け、これがリリースコストであると同時にライフを兼ね、更には能力コストにもなる。5×7マスの戦場を移動させ、敵の「城」を攻撃し4ダメージを与えるか、相手のフィギュアを全滅させれば勝利となる。
攻撃判定はサイコロを振り、出目(絶対失敗・-1・±0・+1・+2・絶対成功(ダメージ+1)の6種)と攻撃側のレベルを足し、防御側のレベル以上なら成功、コイン1枚を外し相手の手元に戻す。つまりやられた側はそれだけ多くのコインが戻るのでレベルの高いユニットを出し易くなる仕組みだ。また城にダメージを受けた場合、外した城コインの裏に書いてある効果が即時発動する。これには攻撃フィギュアへのダメージや移動、あるいは味方コインへの能力追加など様々な種類があり、フィギュアと並んでバトルブレイクの戦術展開として重要な役割を持つ。
フィギュア台座の上面にはレベル、移動力、常時発動効果が書かれ、裏面にはコイン効果(指定された量のコインを手元に戻すことで発動する効果)が書かれる。


大雑把と言えば大雑把だ。どんな高レベルの相手でも1/6で確実にヒット、しかも2ダメージ。たった7×5マスだが最大3移動。最大Lv6すなわちライフ6点だが最大ダメージ能力3。コイン10枚しかないのに6Lvには6枚付ける必要がある。そして城は4ヒットで敗北。だが互いに大雑把な強さを発揮することで短時間決着、予定が崩れ易いので大人と子供がいい勝負できつつ、しかしユニットの能力を生かしたコンボも組めて戦術性も低くない。ランダム性の高さを厭わぬのであれば、なかなか悪くないゲームと言える。


バトルブレイクはどうやらTCG系の「一度に出してしばらく保たせる」方式ではなく「少しづつ出す」方式を採っているようだ。2011年4月に初弾リリース、年末で4弾までをリリースしたが各弾の種類は僅かに17種。たったこれだけで結構な多様性を生み出している点は注目に値すると思う。
面白いのは同一フィギュアを利用したヴァリエーション展開。フィギュアのみでの販売は200円のガシャポン、他に300円の箱入りでコイン付き販売も行なっているのだが、城コイン付きとはいえ+100円の価格差は正直ちょっと微妙感もある。そこで4弾からはこの2つの販売ルートで彩色を変え、「両方を買う」ことに意味を持たせている。
それだけではなく、同一フィギュア別彩色のシークレットフィギュアでは台座コインそのもの(つまりフィギュアとしての能力)にも差を持たせている。TCGで「フォイルカードは通常カードと効果が違う」というのはあまり聞かない(知る限りでは同一カード名別能力のあるポケモンぐらいか)。
更に、公式大会では上位入賞商品として非売品の金/銀/銅フィギュアがプレゼントされており、これらはそれぞれLv/能力の異なる別フィギュアとしてゲームで利用できるようになっている。


色々と注目すべき要素を備えたゲームながら、些か心配もないではない。
ひとつに、全体的に若年齢層を意識していると思しい作りながら1体200円のコストは決して彼らにとって安価ではないという点。またVジャンプにコミック連載があるものの、明らかに競合する遊戯王に力点が置かれており立場が弱そうな点。あるいは高年齢層にもアピールする要素(有名漫画化による一部フィギュアのデザインなど)を持ちながら、フィギュアとしてのデザインは些か微妙でありコレクションとして訴えるものが少ない点。……まあ要するに、「人気出るのか?」という点は気になるところだ。
コレクタブルな対戦ゲームは周辺に対戦相手がいないと途端に輝きを失う。どんなに面白いゲームであっても一人では遊べない。従ってそれなりに売れて、周囲に何人もプレイヤーがいる状態にならないと遊び難い。この点、例えばポケモンバトリオのように「ゲーム機でも遊べる」といった形で「人が集まり自然と対戦が生じる」環境が欲しい。TCGでは売り場にプレイスペースが併設されたりしてそういう環境が整ったが、ミニチュアゲームではまだそれがない。


なお、近く同ルールを使用した戦国合戦ものミニチュアゲーム「戦国兵法 場取武礼駒」がリリースされるようで、こちらはフィギュアの精度も格段に高い。価格も些か高目だが。
「金を出せる大人向け」の展開は歓迎したい。どうせなら川中島合戦以外にもシリーズ化して、「自分だけの軍団」で対戦できるようになるといいと思う。