マジコンの発禁措置が話題になっているようだ。善し悪しの話なんかは各所で議論されているのでお任せしておくとしよう。「法的にはグレーゾーン」なわけで如何様にも結論できてしまう。その辺に首を突っ込む気はない。
ただちょっと気になっているのが、マジコン推進派の言い分のひとつ「アマチュア開発者にとっては死活問題」の辺り。
要するに「任天堂と正規ライセンス結ぶだけの力はないけどDSでゲーム作りたい」という人にとってはマジコン以外に選択の余地がないという話だ。
で。
DSで作る必要はあるんだろうか?
DSはゲーム機としては特異だ。2画面、タッチパネル、通信対戦。そうした機能を活かした、他のプラットフォームでは見られない/他へ移植できないゲームも多数作られてきた。だから、敢えてDS向けにゲームを作りたいという欲求自体は解らないでもない。
が、実のところDSの特異性というのは「コンシューマーゲーム機としては」という但し書き付きでのもので、PCゲームと比較すれば大した違いはないのだ。タッチパネルはマウスクリックで、2画面は単に2つの描画エリアを並べることで対応可能。勿論、通信だって普通に可能だ。
じゃあDSで作る必然性はどこにあるんだろう?普通にPCで「DSっぽい」程度のゲームとして配布すれば、それでいいんじゃないか?
ダウンロードしてすぐPC上で遊べるゲームと、ダウンロードしたものをSDカード経由でDSにセットして遊ぶゲーム。より手軽なのはどっちだろう。ブラウザゲームとして作れば手間は更に少ない。
DSで開発することの優位性は、あくまでコンシューマーゲームプラットフォーム中で比較してこそのものだ。PCまでを視野に含めても尚優位性を保てるわけではない。
それでも正規のゲームソフトであれば「PCがなくても遊べる」「流通網が広い」などの利点が挙げられるわけだが、マジコンでの開発の場合はそもそもWebに接続したPCなしでは意味がないわけで、利点が完全に打ち消されてしまっている。
以上から、開発者にとってのマジコンの存在価値は皆無と言い切ってしまえる。