- 作者: 秋口ぎぐる,グループSNE
- 出版社/メーカー: ジャイブ
- 発売日: 2007/09
- メディア: 単行本
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……えー、要するに上記で云われた通りだ。
ぶっちゃけると「バトルテックでガンパレやってみた」。バトルテックもガンパレも定評ある名作である。融合させれば確かに面白いゲームになるだろう。
ルールは概ね良いとこ取り。それ以外は駄目なとこ取り。極め付けに、SNE作品の駄目駄目な特徴をばっちり取り込んでいるという。
移動-射撃-白兵(-特殊)というフェイズごとの同時処理、2Dで目標値以上という判定処理。憶えるべきデータは多くないので彼我の状況は明瞭に把握できる。そして2セグメント単位の予測行動宣言。なかなか素晴らしい。
一方でメカデザインは酷い、世界設定は薄い、図版は見難い、構成は下手。正直「誰が買うんだこんなの」。
そもそもルールブックの記載順序が
- サンプルメカデータ
- キャラ作成
- 戦闘ルール
って順番間違ってるだろ。このゲームは戦闘がしたくて作ったゲームなんだから、一番の魅力は戦闘にあるはずだ。ならば何故、最初にそれをみっちり紹介しないのか。
メカ作成ルールは例によってバトルテック準拠。憶えることを簡単にするためとは言え、メカのヴァリエーションに魅力がないというバトルテックの欠点もそのまま継いでしまった。ていうかメカ戦主体なんだから、そこの設定/美術/ルールに心血注いでくれ。
バトルテックではグラフィカルだったマップボードが、本作では単なる無地のスクウェアシートに色塗って「森」とか書いただけ。雰囲気というものの効用をまるで理解していないし、第一視認性も悪い。
表は枠線のみで減り張りに欠ける。見出しは色を付けるとか、如何様にでも演出しようがあろうに。目次段階から変体フォントを採用しているので読み辛い。最初のページ、イントロダクションの段階で既に文字か重なって読めない部分があるという、版下校正でも酷い仕事。
いつも思うんだが、SNEはアレか、ヴィジュアルデザインの重要性を理解していないのか。それとも単に人材不足なのか。自身がプロでない自覚があるなら外部に任せるとか、そもそも出版者と組むならそっちにプロがいるんじゃないかとか。心情的にはF.E.A.RよりグループSNEなのだが、少なくともあっちはその点できちんと仕事している。
なんにせよ、これをこのままでプレイする気にはならない。骨子だけ取り出して別のルールとミックスするか、本腰据えて世界設定とかメカデザインとかリメイクするか。
ふと書棚を見たらFRONT MISSION WORLD HISTORICA―REPORT OF CONFLICTS 1970‐2121が。これ使ってみるか。