小学生とTRPGをやった。
具体的には娘二人と、だ。長女は6歳にしてピーカーブーのリプレイを読みTRPGに憧れを抱くような面白い育ち方をしており、ずっとプレイを切望していた。
ご近所メルヒェンRPG ピーカーブー (Role&Roll Books)
- 作者: 河嶋陶一朗,落合なごみ,冒険企画局
- 出版社/メーカー: 新紀元社
- 発売日: 2008/09/26
- メディア: 新書
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一度、コトノハ通信のマッピング&イベント型な(半ゲームブック的処理の)TRPGをやってみたことがあったけど、途中で二人がゲラゲラ笑い出し話を進めることより面白い行為の繰り返しに夢中になりすぎて破綻したのだった。
コトノハ通信 マンションズ&ドラゴンズ&ダークローダーズノベル
- 作者: 藤浪智之,佐々木亮
- 出版社/メーカー: ハーヴェスト出版
- 発売日: 2010/05/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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使用システムは長女の強い希望で迷宮キングダム。
- 出版社/メーカー: 冒険企画局
- 発売日: 2010/07/11
- メディア: おもちゃ&ホビー
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- 出版社/メーカー: 冒険企画局
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結論から言えば、シナリオとしては成功とは言い難い結果に終わったが、初プレイの感覚としてはまずまず……といったところだろうか。
実のところ私自身もまよキンのシステムには不慣れで(プレイ経験はPLとして初代を1回だけ)些か手探り感があったのだが、それ以上に問題なのは「プレイヤーが姉妹2人しかいない」ことだろう。
まよキンはハック&スラッシュなゲーム構造なので戦闘の比重がとても高く、故にそれなりの人数と役割の分担が重要視される。2人だと探索でも戦闘でもあまりに余裕なさすぎてどうしようもない。まあ騎士が「修羅」持ちで雑魚を1ターン殲滅できるので途中戦闘はむしろ楽すぎるぐらいだったのだが、ボス戦が(ルール上のレギュレーションには反していないけれども)どうしようもない強さで2ターンにして戦闘を断念、何種類かのモンスターを入れ替えながら適正バランスを探るというグダグダな展開になってしまったのは大いに反省するところだ。
が、本人たちは楽しかったようで早速「明日もまたやる」と宣言していた。いやその、シナリオ作ってないしバランスも検討が必要なんですが……
以下、個別の感想や工夫点。
システム
「子供と遊ぶ」という観点から見ると、まよキンには良い点と悪い点がある。
悪い点は、ルールが結構複雑で解り難いこと。元々かなりガチ向けで、データとルールを見て性能を最適化してゆくことが求められるシステムなので、小学生に要求するものとしては結構ハイレベルだ。まあ長女はリプレイ読み込んで判例を色々学んでいたのでわりとその辺対応できたのだが、次女は大変そうだった。
そもそも、TRPGには「小学生に馴染みのない概念」が色々出てくる。たとえば「平均」は小4までに習わないので「足して2で割る」とか書いておく必要がある。学年によっては端数の扱いも問題だ:「四捨五入」を習うのが4年生らしいので、切り上げ/切り捨ても多分3年生以下だと知らないかも。
あるいは漢字も、小学生だとかなり限られる。本好きな子なら(少なくとも読む方だけは)割と発達してることが多いのでなんとかなるかも知れないけど、書き写す内容に中学生以上の漢字が多かったりするとそれだけで敷居が高い。可能なら常用漢字のみフリガナ付きでルールブックを用意したい(そんなゲームは冒険王道ぐらいしか知らないが)。
もっとも、ルールに関しては、フェイズごとにやるべきことが絞られるので「今できることと、必要な判定」さえ明示できればどうにかなるだろう。「王国フェイズ」「迷宮フェイズ」のような大雑把な括りではなく、「円卓会議」「王国内での行動」「道中」→「移動」「戦闘」「キャンプ」→「道中」「円卓会議」「成長」と細かく分けてできることを書いたシートを示したいところ。
その点データはカードを手元に置けるのでわかりやすいが、どうしてもカード数が増えてしまうのが辛い。
良い点は、キャラだけでなく世界も発展すること。プレイの度に王国に施設が増え民が増え、周囲のマップが埋まり世界がイメージされてゆくのはとても楽しい。冒険がGM任せの受動的なものではなく「次は何を増やしたい」という能動的な目的で駆動する感じがある。
シナリオ
シナリオは子供の集中力を鑑みてシンプルを心がけた。物語的な仕掛けは何もせず、少数の部屋とほとんど一本道な通路、1部屋1罠と「ゲームのルールに慣れる」ことだけを念頭に置いたチュートリアル・ダンジョン。
その結果、探索そのものには特段の問題を生じなかったもののTRPGとしてはやや物足りない、ボードゲームじみた展開になってしまった。プレイヤー人数の不足も一因なのだが、こればかりは解決が難しい。
2回目は娘たちの強い希望により一人2キャラでやってみた。戦力的には安定するが、管理の手間が増える。感情を結んでも自分対自分の掛け合いになってしまったりするのは興醒め感があるので、この辺なんとか解消する方法を考えたいところ。ただ戦闘が楽しめるようになったし、1話目の結末を引き継いだ話ができたのはいかにもキャンペーンらしくて楽しさが倍増する。
TRPG小道具類
今回は「TRPGのための準備」にも色々と気を回してみたので、ちょっとその辺り報告したい。
キャラシートの管理
経験的に、どのゲームでも「キャラシートを広げる場所」が結構問題になる。テーブルサイズにもよるけどA4サイズでも広げ難いプレイ環境は少なくないし、マップなども展開するなら尚更だ。
しかもまよキンの場合はキャラシート・王国シートともにA3サイズ、加えてダンジョンシートとバトルシートが別にあるので、テーブルはかなり余裕を見ても狭いだろうと判断、予めA4サイズのクリップボードを用意しテーブルから浮かせた状態でキャラシートを管理できるようにしてみた。
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またA4ノビを楽に収める書類ケースも用意し、これらシート類+クリップボードを丸ごと収納できるようにすることでプレイ後の管理も万全に。
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ダイス
まよキンは基本2D6のゲームだが、民の声や気力の消費で多数のダイスを振る場面も出てくるのでカラフルなクリアダイスを10D6ほど購入しておいた。この辺は集中力散漫な子供の「気を引く」作戦。
CHESSEX 6面ダイス/サイコロ Translucent 12mm d6(6面体) 10カラー 10個セット
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トークン
まよキンでは「民の声」「気力」の2種のリソースが増減する。通例これは星型のトークンで表されるようなので、それに倣って100均で星型のビーズを購入しておいた。3色あったので民の声と気力、それに配下を見分けられる。
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フィギュア
隊列管理などが重視されるゲームなので、やはりフィギュアがあった方がいい。
家族で秋葉原方面に用があったので、ついでに粉末石膏p謹製の石膏フィギュアを少々購入。
まよコマがあれば良かったのだが生憎と見当たらなかった。
小学生の食い付きは良かったが、良すぎて人形遊びが始まってしまったのは誤算。
カード
まよカードを引っ張り出してきたが、やはり必要データをいちいちデータブック参照せずカード管理するのは強い。ただ版が代わっているのでそのまま使えない部分もあるのは残念。こういうの電書化というかアプリ化されると更新反映されていいんだけどな……