ルーンバウンド第二版

某所で「3時間かかるのに取り敢えず6戦連続プレイした」などと言われていたので、それはさぞかし面白かろうと期待して購入。
実にRPG的なボードゲームである。なんというか、「コンピューターRPGで誰が最初にボスを倒すか競う」感じ。
プレイヤーは一人づつ異なる「英雄キャラクター」を担当、これを移動させて各地のイヴェントをこなして行く。
イヴェントには敵と戦うものの他、決められた場所で与えられた試練を行なうもの、それに世界全体に影響を与える事件があり、これらをこなすことで経験値を溜め、能力を伸ばす。また、事件解決の報酬でアイテムを買って特殊能力を得たり仲間を雇うこともできる。
英雄の能力は0〜5程度、それに2D10を足して目標値を超えたかどうか判定する。イヴェントは4段階の難易度があり、もっとも簡単な緑のイヴェントは初期状態でもこなせるが、その分得られる経験値が低く、報酬も少ない。
移動は専用のダイスで行なう。6面ダイスにそれぞれ地形を示すアイコンが複数書いてあり、地形に応じてそれらを消費して進む。
街に入るとマーケットでアイテム購入や仲間の雇用が行なえる。
移動も判定もすべてダイス、買えるアイテムや仲間も冒険の難易度も引くカード次第と運の要素が強いような印象もあるが、実際のところそうでもないようだ。
移動はダイス目の組み合わせ方を考えるパズルのようなもので、それも目標地点が近ければ複数のルートで辿り着けるのであまり困難はない。
冒険の難易度は(4段階の色分け以外は)全くのランダムだが、簡単なものほど報酬も少なくなっているのでそう不公平感はない。
アイテムは予めオープンされたもの以外ランダムになるが、所持金で買うものだから強いものは簡単は入手できず、引きの差は少ない。
判定のダイス目にせよ、基本的にはレヴェルアップやアイテムの入手により確実性を高めて挑むものと考えれば、運はそれほど重視されるものでもあるまい。
金貨チップが1・5・10、4種類のイヴェントタイル、負傷チップと疲労チップ、5種類のレヴェルアップトークン、それにヴァリアントルール用運命タイルとかなりのチップ量だが、形と色をはっきり変えてあるので視認性は高く、ごちゃ混ぜ状態でも見分けに苦労しない。また英雄キャラクターカードに対応して樹脂製のフィギュア駒が用意されており、細部のディティールこそ甘いものの雰囲気は充分。気が向いたら絵に合わせて塗装しておくと更に良いだろう。


初めてなので手探りの部分が多く時間がかかったし、幾つかのルールを間違っていたのだが、それでもかなり楽しめた。暫くの間、うちでの定番ゲームとなりそうだ。
敢えて不満点を挙げるとすれば、12人の英雄たちの能力の差が少ないことか。もう少し派手に特殊能力など持たせても良かったような気がする。
海域探検する追加セットが発売されるらしいので、そちらにも期待しよう。

間違い易そうなルールの捕捉

  • レヴェルアップで上昇する能力はライフ・スタミナのほか、射撃攻撃/近接攻撃/魔法攻撃の判定値のみ。ルールブックの書き方が/で併記する形だったので間違ってダメージも上昇させてしまったのだが、ダメージはアイテムでしか上がらない。
  • イヴェントカードには解決時に入手して1回限り利用可能な能力にできるようなものと、入手せず山札の一番下に戻すもの、ゲームから除外するものがある。きちんと分けて処理しないとバランスに影響する場合が。
  • 戦闘時、攻撃できるのはパーティーメンバー一人につき射撃・近接・魔法フェイズのいずれか1回。それ以外のフェイズは防御となる。
  • アイテムの発動は移動に1枚、戦闘前に1枚、戦闘中のいずれかのフェイズに1枚のみ。
  • 経験値の入手タイミングが良く解らなかったが、遭遇イヴェントのうちカードを引いてから事件解決まで時間がかかるものの場合、イヴェントタイルをカードの上に置いて、事件解決とともに経験値に変換するのが適当だろうか。この辺の処理がルールに明記されていなかったような気がする。
  • 空になっているマーケットへのアイテム補充は、その街で移動を終えた英雄がいた場合に行なわれる。
  • 良く忘れるのが、負傷/疲労による移動ダイス減少と事件カードによるイヴェントタイル補充。気をつけるべし。