Beksinski

先日国画会絡みでコメント欄にちょっと書いたのだが、意外に反響があるようなので改めてキーワード登録してみよう。


この画家を知ったのは新宿の紀伊国屋にて、平積みされた画集の表紙に引き寄せられてのことであった。幸い親権を取得するに充分な持ち合わせがあったので迷わず保護したのだが、この後出版社が潰れてしまい、恐らく日本で唯一と思われるこの画集も絶版に。保護しておいて良かった。
因みにこれがその表紙に使われた絵。


彼の作風は基本的に陰鬱で、病的なまでの緻密な書き込みと濃い滅びの描写を特徴とする。
「崩壊する巨大遺跡」と「モノと化した人体」のモティーフを好むが、何れも乾燥風化しており、死と損壊の痛々しさはあまり感じられない。
浮遊物体の絵も多いが、何れも石造りの重苦しいもので、その重量感と浮遊感の対比が面白い。


洋書の画集をAmazonで発見した。但し品切れ。> ISBN:188339838X