NERFレビュー:Rebelle Charmed:Dauntless & Fair Fortune


Rebelle(反抗)はNERFシリーズの中で女性向けを意識したラインである。とりわけ、そのサブシリーズである「Charmed(魅了された/魔除け)」は蔦模様とチャーム付きチェーンで装飾された、優美なデザインに魅力がある。
中でも3連発のハンドガン「Dauntless(不屈)」とクロスボウ「Fair Fortune(幸運)」は魔法少女めいた、あるいは18世紀の前装銃的な雰囲気を持ち、スチームパンク方面でも人気が高い。つくづく国内販売されなかったことが悔やまれるが、平行輸入品がそこそこの価格で入手可能である。

Nerf Rebelle Charmed Dauntless Blaster [並行輸入品]

Nerf Rebelle Charmed Dauntless Blaster [並行輸入品]

Nerf Rebelle Charmed Fair Fortune Crossbow Blaster

Nerf Rebelle Charmed Fair Fortune Crossbow Blaster

普段あまりNERFについて性能レビュー的なことはしないのだが、なにしろ国内販売のないモデル故、所有者が書かないと情報がどこにもない。
まあDauntlessの中身はほぼTriadなので、性能面で目新しさはないのだが、Fair Fortuneの方はなにしろ空気圧でも電動ホイールでもなくゴム紐の張力でダーツを引っ掛けて飛ばす、本当に「弓」タイプのブラスターで、かつ6発装填のリヴォルヴァーという他にあまり類例のない構成であるため、ここでその特徴を詳細に記しておくべきであろうと考えた次第。

Dauntless

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他のブラスター同様に本体が樹脂製の紐で固定され、ブリスター入りのカラフルなプリントダーツ3本が付属しているが、シリーズ共通で本体に取り付けるチャーム付きチェーンが同梱されているのが特徴的。これはトリガ前方とグリップ下部のフックに取り付けるか、輪にして手首に着けても良い。
DauntlessのチャームはRebelleの翼ロゴと炎をあしらった金古美色である。

サイズ

銃口先端からグリップ後端まで26cmほど、コッキングフック後端までで28cmぐらい。
重量は200gちょっと。内部構造の同じTriadが120g程度なので倍近いが、あれは全長が12cmしかないのでサイズの割には軽め。
グリップもTriadと同程度の長さながら、湾曲しているため私の手では小指が少し余る感じがある。とはいえホールドに不安はない。

デザインなど


右側は前面に蔦模様があしらわれ、ミントグリーンの本体側は金色に塗装されている。白色の銃身にも蔦模様があるが、こちらは無塗装。
左側はRebelleロゴの他はほとんどが注意書きに覆われており、模様はごく一部のみ。
グリップ〜本体下部パーツは銀色で、グリップ左右はキルトクッション的な丸みを帯びた凹凸が付けられ白色に塗装されている。
コッキングレバーはマゼンタ色で、指をかけるリング部分がハート型で蔦模様の装飾が施されている。トリガも同じくマゼンタ。
オレンジのマズル+本体色2色程度に抑えられているELITEシリーズなどと比べると格段にカラフルである。

操作

銃口先端からダーツを詰め、コッキングレバーを引いてプランジャーにエアを満たし、トリガを引いて発射。シンプルなスタイルだ。グリップとレバーの距離が近く、ちょっと引きにくい人もいるかも知れない。
3本の銃口は奥にそれぞれダーツ装填時にのみ開く弁を備え、ダーツのある部分から順次発射される。Triadでお馴染の機構である。
しかしTriadは複数ダーツを装填した時には最初に下が発射され、次に右という順だったが、Dauntlessはまず右、次に下が発射された。つまり弁の順序が逆回りで、単純にTriadの内部パーツをそのまま流用するのではなく(基本設計は一緒だろうが)新造しているのがわかる。
ところでDauntlessの銃口は斜めに切られているが上下の銃口で弁の位置がずらされているわけではないので、ダーツ装填時は上下のダーツは同じ長さに揃い、つまり下は銃口よりいくぶん前に飛び出るスタイルとなる。

飛距離

初速を計測する装置も、飛距離を実測するスペースもないため箱書きの紹介に留まるが、裏面には75Ft/22mとある。同じ構造のTriadに対し内部スペースに余裕がある分だけプランジャーを大きく取り得るので威力が上がりそうな気もしたが、オレンジトリガのTriadには90Ftと書いてあるのでむしろ控え目のようだ。

総評

「スタイルの良いTriad」に尽きる。隠し武器めいたサイズではなくなったが、その分だけホルスターなどで携行しやすい。
サイズの割には装弾数が少ないのでメインアームとしては物足りなさがあるが、再装填の容易さは乱戦に強く、「不屈」の名に恥じない活躍が期待できる。

Fair Fortune

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販売時点では、左右に出っ張る弓部分と銃口の一体化したパーツは取り外され、弦が本体に通されて片側が弓に張られていない状態で箱に収まっている。組み立ての際は弦の固定パーツの向きを合わせ押し込み、また銃口部分を本体前面の切り欠きに押し込むのだが、この銃口がなかなか噛み合わせにくい。適正位置まで押し込まれた状態では銃口のオレンジ色パーツが本体の紫色パーツに噛み合って一体化するのだが、そこまで押し込まれず隙間のある状態でもそれなりに固定されてしまう。しかしその状態では正しく射出できず不具合を生じるので、必ず奥まで押し込むように試行すること。
付属のダーツはカラフルな3色だがプリントは施されていない。チャームはRebelleロゴと八芒星で、こちらはシルバー。

サイズ


全長約40cm、全幅約30cmと、クロスボウタイプの中では比較的コンパクト。
グリップは細身で、手の小さい女性でも握りやすい。その割に長さがあるので男性の手にもフィットする。
重量は293g、プランジャーがない分だけサイズ的にも内部機構的にもシンプルなのか、6発リヴォルヴァーとしてはかなり軽い方だと思われる(無改造のものが手元にないので参考値ながら、外装を剥いだハンマーショット285g、先端部にパテを盛ったストロングアーム385gほどだった)。

デザインなど


弾倉の後ろにプランジャーを置く必要がないためトリガのすぐ前に弾倉が置かれたリヴォルヴァーらしいスタイルである。シリンダーは6発装填のものにしては細身だが、これはダーツ後端に弦を引っ掛けられるようダーツの4割程が露出する程度の直径になっているため。

上端は弦を引くグリップがスライドするための専用レールが設けられており、オプション取り付け用のタクティカルレールなどはない。
Dauntlessは右側にのみ蔦模様に塗装が施され左側はほとんど注意文だったが、Fair Fortuneは左右ともに蔦模様があり塗装されている。ただしRebelleロゴの塗装は右のみ。

飛距離

箱裏面には75Ft/22mとあり、公称値はDauntlessと同一。もっともエアプランジャー式ではなくゴム紐の張力次第なので、伸びてくれば落ちる。劣化を防ぐには未使用時は弦を緩めたいところだが、外す方法がないので必要に応じ張り替えるしかない。

操作


シリンダが籠状のフレームに囲まれスイングアウトしないので、フレーム下部の凹みに沿って左右から1本づつ装填してはシリンダを回転させてゆく必要があり、装填速度はかなり遅い。
本体丈夫のサドルめいたグリップを引くと、下部の可動爪が弦を引っ掛け、またフレーム側の爪を引っ掛けて後ろに引っ張ることでシリンダの回転と弦の張りを同時に行なう。弦はそのままシリンダを越えて引かれ、フレーム後端のフックに落とされる。
ポンプアクションのようだが、他のブラスターのようにグリップを戻さず、そのまま後部に引いたままにしておく(戻すと発射できなくなるので、引き直すこと)。
グリップが後端にあり、かつダーツが上シリンダに装填されている時のみトリガの安全装置が解除され、フックが下がって弦が外れ、ダーツ後端に引っ掛かって勢いよく押し出しながら元の位置に戻る。
グリップを前に戻すと、弦に当たって引っ込んだ爪が弦を乗り越え、ふたたび引き戻しできる状態になる。

なお、稀に弦がダーツを押し出し切れず外れてしまうことがあり、その場合フレームの隙間から指などを突っ込んでダーツを押し戻すなどしないと、引っ掛かってシリンダが回転できず次弾発射できない状態になってしまう。ジャム時のアクセスドアなどはない。
特に銃口パーツが正しい位置まで押し込まれていないとジャムり易いので注意。

総評

装填や発射手順などを鑑みると総合性能は決して優れているとは言えないが、独特の発射感はなかなか気持ち良い。
全長に比して射出機構のストロークが長く切り詰め加工などの改造には適さないため、加工用途ならばパーツの追加か、もしくは塗装のみに留めておくことをお勧めする。