千葉県の北西部、「醤油の町」として知られる野田市に、120年続く公園がある。
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一般的には巨大なフィールドアスレチック場として有名で、千葉県内のみならず隣接する埼玉県東部地域の小学生が一度は遠足に行き水上コースでずぶ濡れになるという場所だが、実は花の名所でもある。
元はといえば19世紀の末、江戸時代に醤油の醸造で財を成した八家(後のキッコーマンである)が寺院の敷地を50年間の契約で借り上げ造園を行ったことに始まるという。今でも梅や桜、躑躅など季節ごとに様々な花が楽しめるほか、一角には広大な園芸植物園も設けられている。
またキャンプ場・バンガローも併設され、一大アウトドアレジャー施設として利用できる。
私も小学生の頃は隣市に在住していたため遠足などで訪れたことがあったのだが、それ以来もう30年以上ご無沙汰であった。今はやや遠くなったとはいえ、さほどアクセスの悪い位置というわけでもないので、ちょっと出掛けてみることにした。
アクセス
野田線は、清水公園駅を含む春日部〜運河間が単線区間になっている。それだけ利用者の少ない区間であり、ちょうど中央に位置する清水公園付近は人家の密度も低く、高層建築はおろか駅前にはコンビニすらない。
そんな駅の西口からまっすぐ10分。トンネルに至る車道の脇を進んだところに公園の入口がある。途中には「野田貝塚」跡などもあり、この辺りが縄文海進期には海岸であったことを物語る。
園内
入口には巨木。120年を経た公園とは思えないほど綺麗に整備されているが、これは2019年のリニューアルによるもので、それまでは電動カートなど遊具のコーナーだったようだ。
公園自体に入場料はない。フィールドアスレチックや植物園などいくつかの有料エリアや、レストラン・宿泊施設など有料サービスはあるが、それ以外は無料で楽しめる。これで公営ではなく民営だというので経営が心配になるが、永きにわたり運営されており施設のリニューアルなども行なわれているのだからしっかり利益が出ているのだろう。
左手にあるカフェは芝生に面したオープンテラスを持ち、昼時にはファミリー客で賑わう。
隣にあるのは、かつて公園の敷地を所有していた慈光山金乗院の山門。寺院は今も敷地内にある。
寺院の前を通り過ぎた先には、1976年にオープンしたフィールドアスレチック場がある(入場料1000円)。45年を経た今でも人気らしく、現在は新型コロナウィルス禍の影響で事前予約必須かつ水上エリアが閉鎖中(マスク着用で呼吸阻害を懸念してか)であるにも関わらず、子連れ客で賑わっていた。
水上コースはチャレンジするとほぼ水没するので、ちゃんと園内にはシャワールームと洗濯乾燥機が備わっている。
今日のところはスルーして植物園へ。
水路には鴨や鯉の姿が。トンボの交尾する様子も見られ、様々な生き物の憩いの場となっているようだ。
駅からまっすぐ伸びた道路の先、自動車用トンネルの出口あたりに植物園「花ファンタジア」の入口がある(入場料300円)。
バラ園と蓮の大池、それに藤棚がメインのようで、いずれもオフシーズンだったので少々花寂しいが、それでも十分に楽しめた。次は躑躅も見頃な5月頃に行きたい。