建物老朽化のため移転するという葛西臨海水族園へ行ってきた。長いこと行動圏内に住んでいながら、訪れるのは初めてだ。
www.tokyo-zoo.net
新型コロナ禍のご時世、入園前に予約が必要だという。毎週土曜日を境に、翌週分を予約可能な仕組みになっている。
葛西臨海公園は有楽町線との接続駅である新木場と東京ディズニーリゾートの最寄り駅である舞浜とに挟まれて快速の停車しない場所だが、公園は思ったより人で賑わっていた。
予約確認の後、チケットを買って中へ。木々の間を進むと、ほどなくエントランスが見えてくる。ガラス張りのドームの周囲は水を湛えた池になっており、水面の反射が楽しめる。夕焼けを写せたら楽しそうだが、なにぶん最終入場時間が16時なので撮影スポットとしては些か厳しい。
開園当時はたいへん勢いのある水族館だったそうで、今でもその人気が衰えたわけではないが、近年の新興水族館のような目玉展示に欠ける印象は否めない。逆に言えば見世物的展示形態ではない、ごく真面目な水族館である。
予約制によるものか館内は人が多くなく、落ち着いて展示を楽しむことができる。今回は迂闊にも明るい中望遠を入れ忘れて30mm F2.8マクロと45-175mm F3.5-5.6を中心に撮影せざるを得なかったのだが、如何せん暗い場所の多い水族館内でコントラストAFでは、まともにピントを合わせるのも難しい。そういうわけで館内の写真は少なめ。
客層は子連れ多めで、小さな子供たちが熱心に水槽を覗き込んだり奇声を発して走り回ったりしていた。
ヒトデの隣に写る小さな手が可愛らしい。
東京湾の魚や水産資源の紹介ゾーンでは、上にキャットウォークが設けられバックヤードを見学できるようになっている。こういうのはとても良い試みだと思う。
外には水辺の生き物に触れるゾーンがあるのだが、このご時世で接触を避けるため中止されていた。
ペンギンゾーンでは多数のペンギンがのんびり寛いでいるところをゆっくり観察できる。
イワトビとフンボルトは同じエリアにまとめられているが、フンボルトがだいたい水面に浮いて毛繕いしているのに対しイワトビは陸上にいるか水の中を激しく泳ぎ回っている感じ。
王様はネットで区切られているのでちょっと撮りにくい。
小さなペンギンが手前におり、幼生だろうかと思ったらフェアリーペンギンという種類だった。これで成体らしい。
こちらは海鳥展示エリアのエトピリカ。やけにヒトの方へアピールしてくるやつらだった。
展示エリアの終端にレストランとミュージアムショップ。
レストランはレジャー施設の食堂によくある、トレイを持って並び注文品をその場で受け取り/棚にある商品を取ってレジへ進むタイプ。メニューは海産加工品推しで肉系は少ない。味の方も観光地によくある……スーパーの安惣菜ぐらいの感じである。正直言って、ここで食べるよりは出てから他の店に入った方がいい気はする。
デザートはそれなりだったが、値段はお高め。
建物を出て出口方面へ進むと鳥類園と淡水生物コーナーがある。
タンチョウがこちらに背を向けて立っていた。ぜんぜん動かないので諦めてカメラの電源落とした途端に羽を広げたので撮りそこねた。
園外には何箇所か、食事可能な施設がある。
海に面した全面ガラス張りの展望施設「クリスタルビュー」の地下にはカフェがありホットサンドなどを提供しているが、ここでは「ピクニックセット」としてホットサンドまたはハーフピザにフライドポテト・フライドチキン・サラダのセットを、バスケットとレジャーシートのレンタル込みで販売している。天気の良い日はそのまま海岸に出て開けた場所でランチにすると気持ち良いだろう。
そのほか、バーベキューテントやバスを模した無料フォトスポットなども。こちらはウェディングスタジオによるものだそうで、公園での青空結婚式などを提案していた。
kasairinkaipark-denim.official-wedding.jp
さて、帰りのルートとして今回は水上バスを使ってみた。アクセスだけで言えば鉄道を使った方が明らかに早いし安いのだけど、陸上からは見られない景色を楽しむことができると思えばこれはこれで悪くない。
時期的なものかどうかはわからないが、葛西臨海公園ルートは1日1往復しか便がない。
qrtranslator.com
これが夕刻のマジックアワーを撮るのに丁度良い時刻に出るのだ。いや季節的に丁度良かっただけかも知れないが、橋のライトアップ案内などもあったので元々それを想定した時刻で組んでいるのかも知れない。
そういうわけでお台場までの船上でひたすら写真を撮りまくってしまった。メモリーカード使い切ったのは初めてだ(予備を持っていて助かった……)。
沿岸の工場やらガントリークレーンやら大橋やら、巨大建築趣味にとっても見所の多い船旅であった。