江戸東京たてもの園

小金井の江戸東京たてもの園に行ってきた。両国にある江戸東京博物館の別館で、近現代の建物を移築保存している。
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小金井公園は最寄り駅である西武新宿線花小金井駅からもJR中央線東小金井あるいは武蔵小金井駅からも等しく遠い。今回は東小金井からバスを使った。

東小金井は小さな駅だが、駅下アーケードはなかなか雰囲気を出している。

北口から循環バスで10分ほど、「たてもの園前」で降りるもぜんぜん前ではなく、入口の場所がわからずGoogleMapに頼る。
正月3が日は入園無料だった。もっとも有料でもわずか400円だが。

寺のような旧光華殿を通り園内へ。まずは西側から巡る。

すぐ近くにあるのは「常盤台写真場」と「三井八郎右衞門邸」。三井邸は雰囲気ある建物ではあるが見学者が多かったので、外側だけ眺めてスルー。




写真場は摺りガラスの大窓を多用した明るい建物だった。どうやら電気照明の未発達な時代故、陽光を照明代わりに利用するつくりであったようだ。



この先には4棟の江戸期建築があるのだが、今回は入園が14時頃だったので閉園まであまり時間がなく、洋館を優先してスルー。
ただ残念ながら西エリアにある建物のうち「前川國男邸」と「大川邸 田園調布の家」の2棟は耐震改修のため3月末頃まで公開中止となっていた。

デ・ラランデ邸は園内で一番最後に移築された、明治期の洋館。




1階は喫茶として使われている。

「小出邸」はモダニズム建築を推進した堀口捨己の作で、シンプルな外観からはちょっと想像しにくいほど素敵な内装だった。どうやら建築設計だけでなく内装家具に至るまで、すべて堀口によるトータルコーディネートであるらしい。




個人的にグッと来たのはこの屋根裏。


園内には古い交通機関も展示されている。

さて、西エリアを離れ中央エリアを抜けて東エリアへ。こちらは主に看板建築の商店街となっている。











突き当たりには湯屋「子宝湯」。





女湯は壁と摺りガラスに覆われていたが男湯は素通しのガラス窓から庭が見える。

万世橋の袂にあった交番。コンパクトだが小さな机を備えた前室、布団の敷かれた宿直室、その奥に執務室が詰まっている。

これはかつて皇居正門の石橋にあった飾電燈。

センターゾーンに戻って、さきほどはスルーした高橋是清邸。二・二六事件で暗殺されたのはここの二階だそうだ。

廊下の赤絨毯と庭の竹林の対比が美しい。


古いガラスなので平滑でなく、影が揺らぐのも良い。

閉園30分前を知らせる放送を聞きつつビジターセンターに戻り、小出邸を設計した堀口捨己展を。小出邸をプロトタイプとし発展させたモダンな邸宅やパビリオンなど、たいへん興味深かったのだが見終えて園を出たら園前バス停はどうやら最終が出てしまっていたらしい。閉園まで粘るのはやめた方がいいかも知れない。
武蔵小金井まで歩いて帰宅。