恵比須の東京都写真美術館と、目黒の東京都庭園美術館に行ってきた。どちらも存在は知っていたがなかなか訪れる機会のなかった場所だ。
東京都写真美術館
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名の通り、写真(および映像)専門の美術館。写真というのは美術の一分野でありながら教科書などでも扱いが少なく、写真専門の美術館は珍しい。
恵比須駅の東口から写真美術館のある恵比須ガーデンプレイスまでは、動く歩道が設置された歩廊が繋がっている。そこからエスカレーターで地下に降りるとガーデンプレイス内の地下街を通ってガーデンプレイスタワーへと続くエレベーターにアクセスでき、そこから写真美術館まで屋根の下から出ることなく移動可能だ。
館名の書かれた壁には大伸ばしにされた有名写真が3葉展示されている。
この先にある入口でチケットを買う。1階が映画館、2階・3階が写真展示室になっている。
内部はほとんど色彩がなく、白い壁とステンレスを主体に構成されている。これが実にモノクロ写真映えするのだ……写真美術館だけに意識的にデザインされているんだろうか。あまりに楽しかったのでPENのARTモード「ラフモノクローム」で撮りまくってしまった。
現在の展示は2階が実験的写真家、杉浦邦恵の「うつくしい実験」。写真というよりは、写真を素材とした絵というべきか。個人的に気に入ったのは「暗室に印画紙を追いて子猫を一晩放ち、翌日に現像した」という、行動の痕跡が焼き付けられた「子猫の書類」。
また、ポストカードサイズに分割されたレントゲン像を針金のカードラックに並べワイヤーで吊るした「レントゲン棚のインスタレーション」は、写真/展示そのものよりも棚が落とす影に惹きつけられた。カメラに収めたかったが展示室内は撮影禁止なので諦めざるを得ない。
3階は写真美術館の所蔵品からテーマに沿った写真を展示したもので、「空中に浮遊する人の写真」や「視線の先を想像する写真」など、テーマを同じくする複数作家の写真を並べている。