サブウェイ改造案

サブウェイが苦戦している。
サブウェイが4年で170店舗も閉めた理由 | プレジデントオンライン
ここでは「コンビニの発達した日本ではおにぎりや弁当に敵わない」と分析しているが、米国でも店舗閉鎖が相次いでいるようで、問題はもっと別のところにあるのかも知れない。

一度でも利用したことがあればご存知かと思うが、サブウェイの注文システムはちょっと独特だ。注文者はカウンターの端でどのメニューを注文するのか店員に告げる。すると「パンの種類と長さ、トーストするかどうか」「追加するトッピング(有料)」「具材と一緒に挟む野菜の種類や量の指定」「ドレッシング・ソースの種類」を順に訊きながらカウンターを進んでゆき、組み合わせて出来上がったサンドウィッチと共にレジに到達する。そこでサイドメニューなどの要求があれば一緒に注文し、支払いを済ませる。
このような「客と担当者が一緒に移動する流れ作業方式」によって細かいカスタムオーダーに対応しているのだ。もちろん、面倒なら「おまかせ」で済ませてもいい。

このカスタムオーダー方式は苦手な食べものがある人や逆にたっぷりの野菜を食べたい人などには好適な仕組みだが、その反面「色々と選ばされる」という問題がある。慣れてしまえば特段難しいことではないのだが、初めてで勝手がわからない時には軽くパニクるかも知れない……特に、後ろに他の客が並んでいる場合は。
実際、サブウェイに対するネガティヴな意見のほとんどは「値段が高い」と「注文が難しい」に集中しているようだ。

値段はまあいいとしよう。それは利益率の問題でもあり、あるいはターゲット層の問題でもある。「高いと感じる客に向けた店ではない」という割り切り方は可能だ。
問題は「注文が難しい」の方で、これは値段とは別のところで客足を遠退かせる原因になってしまう。

べつにオプションが多い注文が受け入れられないということはない。ラーメン屋でトッピング注文するのだってピザの出前で4種類盛り合わせを注文するのだってオプションの種類には大差なく、しかしそれが障害になっているという声は聞かない。オプションを連ねると呪文のようになり注文が難しいと揶揄されるスターバックスだって、それで敬遠されるという声はあまり上がらない。
じゃあ何が難しいのか、というと……恐らく「制限時間」ではないかと思われる。

前述の通り、サブウェイの注文は流れ作業方式だ。つまり自分が選択に時間をかけていると後ろの客がそこで待たされることになり、そのプレッシャーが注文への焦りとなる。
逆に言えば、この注文方式を改善すれば、プレッシャーから開放されゆっくりと好きな組み合わせを選べるようになり、オプションの多さはポジティヴな要素に変わるのではないか。

たとえば注文をアプリ化する。まずは店頭でバーコードをスキャンして注文店舗を確定、次にメインの具材→パンの種類→トッピング→野菜→ソース……とオプションを選んで(デフォルトの組み合わせが自動入力されているので好きに入れ替える)、複数注文したければ「ご注文を続ける」で冒頭に戻る。すべての注文をカートに入れたなら「お支払い」に進み、そのままオンライン決済で済ませるか、あるいはレジで画面を見せて現金で支払う。これで注文番号が確定、出来上がったら通知されるので商品を受け取る。
予めアプリをインストールしないと注文できないというのはちょっとアレなので、なんなら店内に専用のタブレット注文端末を用意してもいい。操作がよくわからないという人も出てくることが予想されるので、そういう時は店員が注文を聞きながら代わりに入力して、確認ののちレジへ案内する。

これなら注文を急かされることもなく、ゆっくり選ぶことができると思うんだけど、どうだろうか。
追記:この「注文アプリ」案にこんな反応を頂いた。


「お気に入りの組み合わせを登録しておいて1タップで注文できる」「おすすめの組み合わせをオンラインで共有できる」のはいいアイディアだなぁ。

なおサブウェイは
公式サイトで注文方法を説明している。わかりにくさは自覚しており多少なりとも改善しようという努力は感じられるが、実際の問題が「流れ作業でのオプション指定」にあるのだとすれば、本当に改善すべきはそこではない、ということになる。
個人的には好きなチェーンなのだが近隣に店舗がないため食べるに食べられずにいるので、経営改善して店舗増加してくれることを期待している。