Lumix G 42.5mm/F1.7で撮ってみる

というわけで先日の「汎用に使えるレンズ」まとめで番外に入れた単焦点レンズを買ってみた。実はこれが初めての単焦点レンズ……じゃないな、よく考えてみたらMFTだけど7.5mm Fisheyeとか買ってたわ。でも中望遠の単焦点レンズは初めて……じゃなかった、オールドレンズだけど50mmを2本も買ってたわ。ということはオートフォーカス単焦点は初めて……じゃないな、そういえば30mm MACRO持ってたわ。

……いやまあその、とにかく単焦点である。これまで最も明るいレンズが50mm/F2のJupiter-8、オートフォーカスに限れば30mm Macro F2.8だったので、それより明るいF1.7は初めて、ということになる。

利点は明るさと軽さ。単焦点で、マクロのような特殊機能のない設計のため、所持している中ではGM1のキットレンズだった12-32mm(わずか70g)に次ぐ130g、E-PL8の本体重量と合わせても500gだ。これで手ブレ補正の強いPOWER O.I.S.、最短31cmまで寄れる倍率0.4倍という設計は、パナソニックのレンズラインナップ中では高級路線のLEICAブランドどころか新鋭のG-Xラインですらない唯のLumix Gとは思えないほど高機能である。まあオリンパスもキットレンズだった12-50mmがプラ鏡筒の安物ながら広角〜中望遠ズームかつマクロという謎の高機能レンズだったし、むしろ普及価格帯だからこそ、なのかも知れない。要するに撒き餌か。

その機能性に惹かれてつい買ってしまったのだが、実のところ別段なにか必要性があったわけではない。換算85mmに近い画角は既に持っている12-50mmでも45-175mmでもカヴァーでき、寄れるレンズとしても12-50mmと30mm Macroがある。軽いレンズだってGM1のキットレンズである12-32mmがあって、いずれもその方面のスペックでは42.5mmより優れている。唯一これまでにない性能はF1.7という明るさで、無論それこそが単焦点ゆえの利点なのだが、それがどの程度の違いを生むのかは正直よくわからない。

とりあえず機能的な比較から始めてみた。まずは30mm Macro F2.8と45-175mm F3.5-5.6を併用して、同じ被写体を同じぐらいに撮ってみる。

こうしてみると42.5mmはたしかに狭い範囲にピントが合って前後が強くボケるのだが、30mm Macroも同じぐらいにいい仕事をしており、F1.7でもF2.8でも大きな差を感じない。流石に望遠端175mmのF5.6はだいぶ硬いが、被写体が浮き立つ程度のボケは得られており、マクロ撮影がしたいのでなければ充分なぐらいだ。

ボケ以外に、明るさを活かせる使い方といったら暗所撮影だろうか。夜のスカイツリーを、橋の欄干に肘を付いて支えた状態で手持ちで撮ってみる。

3枚撮って一番マシなのを選んだが、シャッタースピード1秒で手ぶれ補正があれば撮れる範囲の42.5mm F1.7に対し、広角端45mm F3.5の6秒はおろか30mm Macro F2.8でも4秒と、とても実用にならない。
とはいえ夜景専用レンズというのも使い方としてはイマイチだ。三脚が必要にはなるが、夜景はむしろシャッタースピードを遅くして光を流すのがひとつの楽しさでもあり、そうするとF1.7の明るさは不要になる。

最短31cmを活かしてカップケーキも撮ってみたが、近いところで撮るときにはF1.7だとボケすぎる。
撮影距離にもよるが、だいたいF2.8〜4ぐらいまで絞ってちょうど良い感じか。

ここでもF1.7があまり活きていない。まあそれはそれとして、画角と撮影距離はなかなかいい感じだ。

逆光を入れてもハレーションは穏やか。こういう使い方には向くのか。

そんなわけで、ファーストインプレッションとしてはどうにも使い方の見出しにくいレンズという感じを受けた。もっとも、これは私が中望遠にも単焦点にも不慣れであることが大きく、決してレンズの魅力が弱いということではないだろう。
とにかく、買った以上はしばらく使ってみよう、とレンズをこれ1本に絞って色々撮ってみた。

望遠の利便性よりも不便を感じる「やや狭い」画角は、しばらく使っていると思ったより馴染んでくる。もちろん「もっと寄れれば」「もっと引ければ」と思うことは多いのだが、割り切って「これで切り取れる範囲を探す」ようになると、まあそれなりに雰囲気が出てきた。





意外だったのは接写だ。元々、水滴が好きでマクロレンズを使って撮影していたのだが、大きく写すことに夢中になるとどうしても他への注意が疎かになりがちでイマイチ良い感じに撮れない。
ところが42.5mmはそこまで寄れないので、その分だけ被写体を広く見ることになり、結果として主役が水滴自体から水滴を纏った花などに移り、雰囲気のある写真になる。

もちろん普通に花を撮っても、ボケ具合がいい感じに働いてくれる。

まだ手に馴染ませている最中だが、使い回しの利く単焦点としての活躍を期待している。