西部劇には馴染みがなかったのだが、マグニフィセント・セブンがなかなか面白かったので当時の銃をいろいろ見ていたら、コルトの1860年頃のモデルが流麗で美しく、ちょっと欲しくなった。
けれど俄興味で手を出すには些か高価な代物であるので尻込みして、代わりにNERFを改造してそれらしいものが作れないか考えてみることにした。
まず、現在入手可能なNERFの中でリヴォルヴァータイプを集めてみる。
この中で、ハンドガンタイプでないアルファホークとストッケード、バガボンド、ロウブリンガー、ドゥーミネーターはとりあえず除外する。いや、ドゥームランズのラインナップはむしろ西部劇に相応しい雰囲気なのだが、今欲しいのはあくまでハンドガンなのだ。
フリップフューリーは面白い代物だが、今回目指す雰囲気とは合わないのでこれも除外。
残る3挺のハンドガンのうちストロングアームとディスラプターはコッキングがスライドタイプで、これは西部劇リヴォルヴァーよりも時代の新しいオートマティックの雰囲気だ。となるとハンマーショットしか選択肢がない……が、これはこれでなんというか、かなりゴツくてイメージが違う。
でも下に突き出ているアームを削って上に銃身付けたらそれなりの雰囲気にはなりそう?
やってみた。
まず分解すると、どうやらグリップなどを含むダークグレーの本体フレームとタクティカルレール部分のライトグレーフレーム、オレンジの外側カヴァー部に分かれるらしいことがわかった。
しかし同時に、これを引き剥がすことが困難であることも見えてくる。どうやらネジ止めだけでなく接着してあるらしい。試行錯誤の末、接着部分をドリルで削り落としてしまうという荒技に出た。
もう引き返せないわけだが、ともあれライトグレー部分とオレンジ部分を外してダークグレーのみのスリムな状態にすることには成功した。
ネジ止めできるのがグリップの4箇所+NERFロゴ後ろの1箇所のみで前方はまったく止まっていないという問題はあるが、ひとまずスリムなシルエットに仕上げられそうな雰囲気にはなった。
問題はどうやって前方に銃身を取り付けるか、だ。手元のパーツで色々いじった結果として、元々あったシリンダ支持アーム部を上に回し、タクティカルレールと接合することを思い付いた。
実はこの時はまだ気付いていなかったのだが、支持アームは単なる飾りではなく、発射機構に極めて重要な役割を持っていたのだった。すなわち、このアームが回転弾倉をプランジャーに押し付けることで空気漏れを防ぎ発射が可能になっていたので、外してしまうわけには行かないものだったらしい。
しかし元々ハンマーショットは銃身のない弾倉から直射するデザインだからこそ下からのアームで支えていたわけで、そのアームを射線を塞ぐ位置へと向け直すのはそう単純ではない。結果としてはかなりの大改造となり、切断して銃口を挟んで接着し直した部品が充分な強度で弾倉を支える必要があるという面倒なことになってしまった。まあなんとか形にはなったが、正直あまりおすすめしない手法であるので、可能ならば正にそのような構造を持つディスラプターあたりの部品を流用するなど別の手を考えられた方が良いかも知れない。
ともあれ形態は完成したので黒サフを吹いて金属色で塗る。グリップ付近が金色の真鍮で作られトリガは銀色、銃身は黒鉄という西部劇時代のライフルがあったので真似してみようと思ったが、どうも西部劇よりはスチームパンク的雰囲気に……(まあ時代は同じだけど)。あとでパーツ外した穴を配管で結んでみよう。
大雑把には元の配色を参考に黒鉄色と銀色に塗り分けている。
塗りが荒いのであって汚しをかけているわけではないが、まあ似たようなものだ。
グリップ部は元々木目が彫り込まれているので薄い色でドライブラシした上からクリアオレンジを塗るだけでそれっぽく。
写真ではわかりにくいが実は銃口内は接合の都合で上下が狭まってしまっている。
前方からの眺め。このあたりはほとんど原型の面影がない。
トリガー前方のネジは本来、オレンジのフレーム部で挟み込んで締め付ける形式だったので、径の合うネジとナットで締めることにした。
単にフレームを外して雰囲気を変えるだけのつもりが思わぬ大改造になったが性能面ではノーマルと何も変わらない。でもまあ手をかけて好みのスタイルにした分だけ愛着は湧く。こういうのも改造の醍醐味であろう。
なお今回は発射機構がリヴォルヴァーであることを重んじてハンマーショットを選択したが、単純にスタイルだけで言えばダブルストライクの方がそれらしく見え、実際に外観をカスタマイズした事例があるようだ。ただ先込め式のため、銃身を長くする場合は装填が問題になるが……