日光に行ってきた。
関東在住ならば小学校の修学旅行とかで一度は訪れるであろう場所だが、反面「なかなか二度目がない」場所でもある。
しかし世界遺産である「日光東照宮(を含む寺社群)」をはじめ、ちょっと足を伸ばせば風光明媚な湖あり大滝あり温泉ありと、実はかなり見所の多い場所で、しかも都内から片道3時間かからない日帰り観光地でもある。
まあ流石に日帰りでは範囲を絞らざるを得ないが、逆に言えば何度も楽しめるということだ。
レンズ
以前、広島-宮島観光の際に「風景を撮るなら広角があればいいだろう」と高を括っていたところ、意外に「寄れないところを寄って撮りたい」というシーンが多く望遠の必要性を痛感したので、今回はレンズも新調した。
当初Tokinaの反射式300mm macroを考えていたのだが、固定焦点は撮影位置を選ぶのと、店頭在庫がなかったので45-175mmズームに手を出してみた。
LUMIXの45-175mm電動ズーム、35mm換算にして90-350mmと望遠域を幅広くカヴァーするレンズである。これで全長わずか90mm、重量210gと軽量コンパクト、しかも安い。
これにマクロを兼ねた普段使いの12-50mm、広角が足りない時を想定して7.5mm魚眼を携行する。カメラ本体もレンズも小さいので小ぶりなカメラバッグひとつで充分収まる。
なお、今回の写真はiPadで撮影したもの以外は基本的にまったくの無加工で掲載している。
日光へ
都内から鉄道で日光へ行くルートは、大きく分けてJR宇都宮線→日光線ルートと東武伊勢崎……えーとスカイツリーラインルートがある。乗換駅へのアクセス次第だが、基本的には時間も料金も東武線の方が優位。
ただしJRは日光駅の駅舎がとても良い。まあ東武日光から歩いてもいいのだが。
JR日光駅舎。大正元年落成の瀟洒な木造二階建てで、二階の一等客車待合室は現在ではギャラリースペースに。
駅で周遊バスのチケットを買い、駅前の停留所から乗ると10分ほどで二荒山神社前に到着する。
同じ場所を3種のレンズで撮ったもの。使い分けるとかなり異なった画が作れる。
至るところ大杉だらけ。そこらの神社なら確実にご神木であろうレベルの巨木が山を覆う。
大きくなりすぎて倒壊の危険があるのか、それとも修復の際に木材として利用されるのか、切り倒された巨大な切り株も散見される。
二荒山神社の御神籤は種類豊富だが、縁結び御籤は千代紙を使っており結んでも可愛い。
五重塔なんかを撮りつつ参拝料払って中へ。極彩色の装飾については今更私が語るべき事は何もないので代わりに動物の写真をお送りします。なお三猿と眠り猫は補修中につきレプリカなのでスルー。
狛犬。やけに可愛い。
大燈籠。和製スチームパンクはこういう意匠でいきたいものだ。
外壁も極彩色の施されたレリーフが、それぞれ異なった意匠で彫り込まれているのだが、
内側は白ベースに金と無垢の木というコントラストのはっきりした造りで、これがまた格好良い。
ところで陽明門は現在改修中で、足場に覆われ外観が見えず残念……と思ったら、外壁が外されその下に描かれていた狩野派の板絵が公開されており、むしろ貴重な機会だったという。
本殿・薬師殿は撮影禁止だったので入口だけ。磨かれた漆塗りの板間が鏡のような反射を見せる。
この後、道伝いに下って神橋へ。
大袈裟な名だとは思ったが流石は名所、絵になる光景である。
気温
朝とはいえ、駅を降りたら肌寒かった。そういえば日光は避暑地なので、だいたい都内より5度ぐらいは気温が低いのだった。夏でも薄手の上着ぐらいはあった方が良さそうだ。
食事
東照宮はかなり見応えあるので、朝からこれひとつ巡るだけでも大体お昼時になる、のだがこのあたりはなにしろ寺社エリアであるから店がない。土産物屋を兼ねて観光地価格で蕎麦とか出す店がひとつある程度だ。
おすすめは東照宮を出て少し下った左手にある宝物博物館 、真新しい建物の1階に入っているUCC上島珈琲店のカフェ。値段相応に食べられる。
あるいは下ってゆくつもりがあれば、神橋のたもとにある明治時代の物産展にあるカフェレストランは美味しそうだった。
ここは建物としてもなかなか見所。土産物屋としてはいかにも観光地のそれではあるが。
生物
山の方なので格段に生物相が豊かである。とはいってもそんなに色々観察したわけではないし、昆虫などはすぐ逃げてしまうのでなかなか撮れないのだが。
最後のは50mmで撮った橋下のトンボと、同じものを175mmで撮ったもの。近付かずに大きく撮れるのは嬉しい。
ポケモン
ところで今回の観光では、直前にサービスインしたポケモンGOを遊びながら移動していた。道中が単なる待ち時間ではなく楽しみの時間になるし、地域ごとのポケストップ分布や出現するポケモンの変化なども面白い。
また観光地は人が多いからか他ではあまり見掛けないポケモンが出現するようだ。観光旅行ではわりと子供の興味と親の興味が(年齢的な問題で)噛み合わなかったりすることは少なくないが、大人が好む場所に子供が楽しめるスポットが重なるというのは従来なかった観光の形として、もしかしたら次世代の町おこしの方向性として、アリかも知れない。
ただ、なにしろGPSを常時起動するシステムであるからバッテリの減りは著しい。今回は容量に余裕のあるiPadと、iPhone5Sにモバイルバッテリ携行で望んだが、それでも駅へ戻る前の段階でバッテリ容量が20%を切る有様だった。
シルエットだけ見掛けたロコンを捕獲できなかったのが心残り。