星屑紙の綺麗な撮り方

遊星商會の主力商品である「星屑紙」は、主に小物撮影時に雰囲気ある背景としての利用を念頭に制作され、実際そのようにご利用頂くケースが多い。
一方で、半透過紙に金属色印刷と些か特殊なつくりのため「巧く撮れない」との声もあるようだ。そこで、「どうやったら雰囲気ある写真に仕上がるか」を、ごく簡単ながら解説したい。

なお作例写真はすべてiPhoneのカメラで適当に撮影したもので、サイズを除き未編集である。

光の方向

これは星屑紙とはあまり関係なく、写真の基本的なテクニック。被写体への光の当たり方を意識してみよう、という話。
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何かを撮る時、一番簡単な撮り方は「正面から光を当てて、撮りたいものを明るくする」こと。だけどこれだと、正面側がどこも一様に明るくなってしまうので、細かいディティールが失われがち。
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横の方から光を当ててみると、被写体にも背景にも明度差が生まれる。光の当たる側が明るく、反対側が暗くなることで画像に「方向」が与えられ、また被写体にも陰影が生じてちょっと雰囲気が出る。
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後ろ側から照らすと、ドラマティックな効果が生まれる:直接カメラに飛び込んでくる強い光で全体が暗くなり、被写体の周辺を回り込んだ光が輪郭を浮かび上がらせ、細部はよく見えなくなるけども味のある映像になる。

反射

星屑紙のように平坦な被写体では特に、表面の反射具合によって面に変化を与えることが重要になってくる。
次の2枚の写真はどちらも被写体に対して同じように光を当てて撮っているが、カメラの位置が違う。
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1枚目は被写体を斜め奥から照らすようセットした状態で、紙に対して真上から撮影している。画像左上が明るく右下側が暗くなる変化はあるものの、全体として概ね均一な映りとなってしまう。もうちょっと工夫が欲しい。
それに対し2枚目はぐっとカメラを下げて紙を斜めから撮影している。そのため紙の表面に光が反射してはっきりした明暗を生じている。

その他

被写体を中央に配置せず、やや余白を空ける構図にするとまたちょっと雰囲気が変わる。
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これは「光の方向」での「横からの光」と基本的に同じセッティングで構図を変えただけ。見比べていただきたい。

また、被写体を大きく撮りたい時に近寄るのでなくズームを使ってみるのもいい。
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寄って撮ると遠近感が強調される。レンズに近い部分が広がり遠い部分が窄まって、大きく歪んだ写真になる。
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ちょっと引いた位置からズームで撮ると歪みが抑えられるので全体をきちんと捉え易い。
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横倒しにできるなら、背景と平行にして撮る方法もある。

星屑紙を平面に置いて撮ると、上方から撮影しないと端が切れてしまう。そんな時は端を持ち上げてみる方法もある。
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このようにセッティングして正面から撮ると、こうなる。
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これで正面から撮っても背景が覆われるだけでなく、湾曲した星屑紙が角度によって光の当たり方が異なり、変化が生まれる。
端を持ち上げついでに、逆光で紙の裏から光が当たるようにしてみるのも面白い。
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