ガンホーの新ソーシャル・ボードゲーム「サモンズボード」

「パズドラの」ガンホーからスマートフォン向け新作ゲームがリリースされた。
ガンホーの新作「サモンズボード」のプレイレポートをお届け。ボードゲーム+RPGというシステムの出来はいかに? - 4Gamer.net
「ダンジョン」を攻略しモンスターを集め/育成し/合成してパーティを編成する辺りはパズドラ(を含めたスマートフォン系ソーシャルRPG)と何ら変わらない。火/水/木3属性と光/闇2属性で相性があるのも同じ。ターン数でスキルチャージし発動できるのも同じ。
違うのはゲームの中核を成す「戦闘」システム。パズドラは玉消しパズルだったし、類するゲームもパズル系を中心とした「消す」系が多かったが、サモンズボードは4x4マスの中で敵味方のユニットが動いて攻撃する、将棋やSLG系を彷彿とさせるタクティカルな戦闘方式を打ち出してきた。たしかに「ボードゲーム」だ。

1ターンに行動できるユニットは1体だけ。行動すると敵が行動し、交互に手番が進む。
ユニットはそれぞれに移動可能方向が矢印で示されている。二重矢印の場合は2マス先まで移動できる。戦場は縦横とも4マスしかないので、2マスというのはほとんど「一気に接敵できる」速度だ。
移動可能方向は、同時に攻撃方向でもある。移動先マスから、矢印の方向に接する位置に敵がいた場合、それらに自動で攻撃する。矢印は複数方向あるので、複数の方向に接していればその分だけ全部に攻撃する(二重矢印でも2回攻撃はしないが、大型ユニットなどに2方向矢印が向いていれば2回攻撃する)。
さらに、攻撃を受ける敵ユニットに対して攻撃可能な場所に味方ユニットがいれば、連携して攻撃する。連携攻撃は単に複数回のダメージとなるだけでなく、連携数に応じてダメージ倍率が設定されており、一気に大ダメージを与え得る。
これがなかなか頭を使って、面白い。どうやったら敵の攻撃方向にあまり接触しないようにしながら効果的にダメージを与えられるか。属性相性以上に位置取りが重要になってくる。最初は敵が強くないから苦戦することもないが、難易度が上がってくると長考しそうだ。

ポイントは「1ターンに動かせるのは1体だが、攻撃できるのは1体ではない」という部分だろう。1体が複数体に、複数体が1体に同時攻撃できるので、たった1アクションの持つ意味が大きい。

なおガンホーは本作でほとんど「ソーシャル」要素を捨ててきた。従来のようなフレンド申請はなく、従って仲間を連れて行くようなこともない。唯一の他プレイヤーとの接点は報酬を賭けて戦う「ランキングバトル」だけ。ゲームとしてそれがプラスなのかマイナスなのかはなんとも判じ難いが、メッセージを介したトラブルなどもあったようなので配慮の結果なのだろうか。
完全に「ギルド」メニューを見落としてた(まさかチュートリアルで全く触れて来ないとは予想外だった)ので追記。
ギルドは、「ランキングバトル」で総合順位を上げて報酬獲得を目指すと共に、BPの投入によって「所属メンバーのパーティ能力強化」の恩恵を与える互助組織である。メンバーを増やし、ランクバトルでBPを稼ぎ、それをギルドへ投資するという循環により、メンバーの戦力が強化され、その分だけBPもまた増える。

リリースされたばかりなのでサーバが些か不安定という話も聞くし、進化システムなども不明点が多い。ユニット種類も少なく、パズドラほどの華やかさはないだろう。その代わり、手応えがある。ゲーム慣れしたプレイヤー、パズドラは単調で飽きたという人にはお薦めしたい。──まあ、まだ序盤のバランスしか見ていないので、今後長期的に成長してきた後も作業化しないかどうかはわからないけども。