およそ20年ぶりに京都を訪れた。京都駅が大々的に改装されたことは聞いていたが、聞きしに勝る巨大建築だった。
12階までぶち抜きの大階段/エスカレータ。トラスの大屋根。10階を繋ぐ空中回廊。隣接する伊勢丹も屋上から連続するエスカレータでフロアが繋がる大胆な構造。ここだけで半日観光しかねない勢いだった。
が、今回の目的は京都駅でもなければ観光でもなく、主に店巡り。
恵文社 一乗寺店
まずは京都駅から地下鉄烏丸線に乗り、中心街を離れて左京区は一乗寺、名書店と知られる恵文社 一乗寺店へ。
恵文社一乗寺店
周囲に(ごく普通の商店街の他は)特段目立った店も何もないので驚いた。もっと小洒落た店の寄り集まる商業区かと想像していたのだが、どうやら近隣に多くある大学の学生などの需要に支えられているらしい。
隣接するギャラリー/文具雑貨販売コーナーの一角で遊星商會を取り扱って頂いている。
書店部は流石の一言。決して大型店舗というわけではないから単純な品揃えで言えば勝る書店はいくらもあるだろうが、本同士が緩やかな繋がりを持って連続的に変化し、コーナーからコーナーへと興味が連鎖する様は書籍陳列の理想形と言える。
店内イメージは第22回 京都編・恵文社一乗寺店 堀部篤史さんに聞きました――本を「なつかしいもの」にしないために・・・|本屋さんの遊び方|みんなのミシマガジンなどを参照されたい。
ウサギノネドコ
続いて二条へ移動しウサギノネドコへ。
京都市中京区西ノ京南原町37
ウサギノネドコ
古い京町家を改装し、1日一組だけを泊める宿としたもので、1階は自然科学系雑貨店となっている。
店名はヒカゲノカズラの属名から採ったそうで、紋もそれを図案化したもの。
ヒカゲノカズラ - Wikipedia
主に種子などをアクリルキューブに閉じ込めた「宙」シリーズが中心だが、鉱物アクセサリや自然物を模した金属造形、未加工の種子や貝殻なども所狭しと並べられ、さながらヴンダーカマーの様相を呈する。
格子に組まれた鴨居にまでアクリルキューブがびっしりと。
部屋の向こうには坪庭があり、建物に囲まれた小さな空間を埋める羊歯や苔はアクリルキューブに閉じ込められた自然造形物と対比を成していた。
小さいながらも密度の濃い素敵な空間で、すっかり長居してしまった。
なお、8月末までは表参道でも展示がある模様。
「地球からの贈り物」展@Spiral Market | ウサギノネドコ
おまけ
京都駅で土産に購入した和菓子。亀屋清永の「星づく夜」「星に願いを」。