デッキ調整カードゲーム「Prates of Liberta」

パイレーツ・オブ・リベルタ、「自由の海賊」といったところか。ブラウザで遊べる無料の「デッキ調整型」カードゲームである。
http://piratesofliberta.com
本日19時よりオープンβテストが開始される。まだゲームバランス調整などが入る可能性のある未完成状態ではあるが、テスト終了時にはそのまま正式版に移行する、事実上の先行公開状態でもある。どなたさまも是非どうぞ。

リベルタは「自分の山札を調整する」カードゲームである。
ドミニオン」などをご存知であれば大体の感覚は掴めるかと思う。全員が同じカード構成でゲームを開始し、引いた手札で場にあるカードを購入してデッキに組み込むことで性能を向上させ、得点カードを購入して合計点を競うという仕組みはほぼ同じだ。効率を上げても得点は増えず、得点カードを買えばデッキ効率が落ちる仕組みもそのまま踏襲している。
ただ、単なる後追いの類似品ではない。リベルタには他のデッキ構築型とは異なる大きな特徴がある。

ひとつは、「手札を好きなだけ引ける」こと。
ドミニオン由来のデッキ構築型ゲームではほぼ例外なく「毎回すべてのカードを捨て一定数の手札を新たに得る」仕組みになっているが、リベルタでは毎ターン好きなだけ手札を引ける。ただし、デッキには常時2種4枚の「トラブル」カードが組み込まれており、これが同種2枚出てしまったらその時点でバースト、手番が強制終了する。

もうひとつは「デッキ枚数が増えない」こと。
購入したカードはデッキに追加されるのではなく「今回引いたカードのうち1枚と入れ替える」。だから効果の高いカードだけ引いてしまうと迂闊に買えない。しかし入れ替えても良いようなカードを引くまで引き続けるのもリスクが高まる。
もちろんトラブルカードとの入れ替えはできない。

ゲームは財宝(=得点カード)が1列すべて取られるか、20ターン経過すると終了する。他のデッキ構築系よりも短期型な設計のため、手番あたりの効率が物を言う。今ここで危険を冒してでも高価なカード購入に賭けるべきか。しかしバーストで手番を無駄にすれば却って効率を下げる。ならば今買えるもので我慢しておくべきか。
計算高さを要求されるデッキ構築系なのに、意図的にギャンブル性を高めた設計。短時間で終了することもあり、黙々と効率を追求するよりもここ一番の勝負に賭けて盛り上がる、軽めのパーティゲーム寄りな雰囲気で楽しむべきかも知れない。

……と、ここまでは前回のクローズドβを元にした紹介であったが、どうやらオープンβではその当時からいくつかの変更が加わっているようだ。例えば「初期デッキに組み込まれているカード」の上位カードを購入して使用可能にするらしきカードショップの存在など、明かされていない要素が垣間見える。
またクローズドβ時点では通信対戦が思わしくなかったが、恐らくそうしたゲーム以前の機能については整備されているものと期待される。


ゲーム外の部分についても少し解説を。
プレイの度にハートを1〜4程度消費する。ハート1は1時間で回復、あるいは回復アイテムの購入で回復。初期に25回復分を配布されるが、以降はジュエルにて購入する。ジュエルは初期50保有するが、以降は有料での購入。
プレイによってメダルを取得する。これはアバターやカードの購入に使用する(カードによってはジュエルで購入するものもある)。


最後に、ごく簡単なアドヴァイスなど。
初期デッキの構成は

  • 『下級船乗り』×5枚
  • 『樽』×3枚
  • 『カリスマ』×2枚
  • 『食糧不足』×2枚
  • 『嵐』×2枚

の14枚構成である。10枚中7枚が金だったドミニオンと異なり、1/3強しか入っていないため、初期に中級船乗りを獲得可能な下級船乗り3枚を引くためにはデッキを半分ぐらい引き切るつもりにならねばならない。しかも毎回シャッフルなので「前ターンの引きが悪かったから残りは良いカードばかり」ということもない。
まあバーストは「同じトラブルを2枚引いたら」なので最初のトラブルが出るまでは絶対に安全である。そこまでは無心に引くべし。1枚目が出てから、今あるカードで買える範囲で終わらせるか上乗せを狙うかを考えることになる。

『少年』はデッキの総数を増やすが、それによって特定カードのドロー率が変化することはない。ただ、少年を更に船乗りに成長させることで獲得力とリスクの比を改善することはできる。2手使うのが悩ましいところだが、これはいずれ得点を組み込んだ時にも活きてくるので、安全策を狙うなら船乗りを獲得できそうにない場面ではとりあえず少年を取っておくのが良いだろう。

『樽』は得点わずか1にしかならず、獲得力もその他いかなる効果も持たない邪魔カードなので下級であれ船乗りに入れ替えると効率がかなり良くなる。ただしこのゲームは意外に総得点が低いので、1点が勝敗を分けることも少なくない。序盤のデッキ効率と後半の得点差、どちらを重視するか。