魔導書大戦RPG マギカロギア

魔道書大戦RPG マギカロギア (Role&Roll Books)

魔道書大戦RPG マギカロギア (Role&Roll Books)

サイコロ・フィクションシリーズを知っている人向けの説明:シノビガミとハンターズ・ムーンの中間的なシステムで秘密を探りながらガチ戦闘。既存シリーズとのクロスオーヴァー
知らない人向けの説明:秘密めいた魔法使いたちが、封印を解かれてしまった邪悪なる禁書を狩るRPG。本と魔術好きにおすすめ。


GMの負担が少ないお手軽RPGながらイメージ喚起力と物語駆動力が非常に高く密度の濃いプレイが可能な「サイコロ・フィクション」シリーズの4作目。
シリーズ代表作である「シノビガミ」はキャラの関係性そのものがシナリオになることで「GMはほとんど手を出さなくても話が回る」システムだったが、その分だけバランスの危うい面もないではなかった。展開次第では戦力比が大きく偏りかねない。
ハンターズ・ムーンは強大な敵との戦闘に的を絞ることでストーリーをほとんど考えずに遊べるお手軽さとガチな戦闘バランスを前面に打ち出したが、半面どうしてもロールプレイ感の弱さが付き纏う。
マギカロギアは、いわば両者の良いとこ取りをしたようなシステムだ。忍者と同じぐらいにイメージを刺激する魔法使いたち、秘密を探りシナリオを読ませる展開、そして禁書との戦いに的が絞られた協力型。


PCたちは第三階梯の魔法使いである。「不死ぐらいには到達」しており「既に人の姿ではなく」限定的ながら「自らの裡に別の理を持つ世界を持つ」ぐらいの存在。えーと別作品で例えると「宵闇眩燈草子」の美津里みたいな感じか。

宵闇眩燈草紙 (1) Dengeki comics EX

宵闇眩燈草紙 (1) Dengeki comics EX

敵である「禁書」は書でありながら独自の意思を持ち、魔法使い同様にひとつの世界を内包する存在である。書かれた内容故に邪悪なのか、それとも人間から見て邪悪と映るに過ぎないのか。人が書いたことで意思を持つに至ったのか、先に意思があって人に書かせたのか。それさえ定かではない。ただ一つ言えるのは、回収し封印せねばならぬものだということ。
封印を解かれた禁書は断章となって人に憑く。PCは人の秘密を調べて断章を探り、これらを剥がさねばならない。さもなくば禁書はその意図に従って世界を改変してしまうだろう──恐らくは好ましからざる方向に。


さあ、書を開け。宴を始めよう。