榴弾砲は爆風ダメージであり、着弾に誤差があるためカタログ値通りに効力を発揮しないので性能の単純比較が難しい。
実際にはどの程度の有効性であるのか、いくつかの尺度で検証してみる。
まず、基本スペックを確認しよう。
名称 | 威力 | 射数 | 射程 | 着弾遅延 | 着弾誤差 | 爆発半径 | 爆発高度 | 装填速度 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
タイタン榴弾砲 | 10000 | 6 | 300m | 5.5秒 | 15m | 25m | - | 50秒(40秒) |
コロッサス榴弾砲 | 7200 | 12 | 250m | 4.5秒 | 25m | 24m | - | 60秒(48秒) |
アトラント榴弾砲 | 11200 | 5 | 500m | 8秒 | 20m | 25m | - | 55秒(52秒) |
ギガノト榴弾砲 | 16000 | 1 | 350m | 10秒 | 0m | 40m | - | 70秒 |
エアバスターT10 | 9800 | 4 | 350m | 4.2秒 | 15m | 28m | 9m | 55秒(50秒) |
エアバスターT25 | 13000 | 1 | 260m | 6.5秒 | 0m | 45m | 12m | 50秒 |
エアバスターXHR | 6800 | 9 | 300m | 6.5秒 | 30m | 30m | 8m | 65秒(60秒) |
カタログ上の威力はこの通りだが、実際には着弾誤差と爆風減衰によって期待値通りのダメージは出ない。まずはそれらを考慮して、1発あたりの平均ダメージを考える。
爆風の減衰は中心部を100%、辺縁を0%として線形に変化する。つまり、タイタンなら中心火力10000、辺縁火力0で半径25mなので1mずれるごとに火力は400減衰することになる。狙った位置に丁度敵機が来るものと仮定すると、着弾誤差の期待値は誤差半径の半分になるので、タイタンでは平均7.5mのずれ。火力にして-3000の減衰で1発あたりの平均ダメージは7000ということになる。
ただしエアバスター系列は空中爆発であり、高度によってダメージ半径が異なる。便宜的に、ここでは地表での爆発半径を実半径として採用する。なお、対BRダメージは爆風範囲の辺縁25%がカットされることが知られている。これを実爆風半径として示す。
また着弾誤差の大きい多弾砲では、その分広い範囲を一度に攻撃するため攻撃に巻き込める可能性が高まる。これを実効半径として示し、全射火力を実効半径で割って平均火力密度とする。
名称 | 地上爆発半径 | 実爆風半径 | 実効半径 | 平均威力 | 全射火力 | 平均火力密度 |
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タイタン榴弾砲 | 25m | 18.75m | 27.5m | 7000 | 42000 | 1527 |
コロッサス榴弾砲 | 24m | 18m | 37m | 3744 | 44928 | 1214 |
アトラント榴弾砲 | 25m | 18.75m | 32.5m | 6720 | 33600 | 1034 |
ギガノト榴弾砲 | 40m | 30m | 40m | 16000 | 16000 | 400 |
エアバスターT10 | 21.4m | 15.35m | 25.7m | 6365 | 25460 | 991 |
エアバスターT25 | 38.1m | 28.58m | 38.1m | 13000 | 13000 | 341 |
エアバスターXHR | 25.4m | 19.05m | 42.9m | 2784 | 25056 | 584 |
改めて、タイタンの優秀さが浮き彫りになる。平均威力7000はカタログスペックで勝るアトラントよりも僅かに高く、1発多いこともあって全射火力でも上回る。T10に次いで低い実効半径にコロッサスに次いで高い全射火力が詰め込まれ、火力密度は最大。
また逆に、42.9mというXHRの実効半径も目を引く。ほぼ同時着弾する速射性もあって、XHRはコロッサスよりも回避の難しい榴弾となっている。広い分だけ火力密度は薄いが、それでも平均威力では1発で耐久の1/4を削るだけの数値であるわけで、恐しい存在である。
またギガノトやT25の火力密度を見るとXHRがコロッサスよりもむしろ単発榴弾に近い存在であることが見て取れる。発射の早さもあって、正に「撃ち分け可能なT-25」なのだ。ただし、中心火力が高く辺縁に行く程薄まる単発系と異なり多弾系は均等な火力分布を特徴とする。爆心でヒットすれば確実に大破する単発系とは違って「削れるが倒せない」砲になる可能性も低くはない。
これはこれであくまでカタログスペックの話である。空中炸裂のエアバスター系は地表炸裂の榴弾砲と異なり「障害物によって爆風が遮られ難い」という特徴を有する。これはボーダーブレイクの爆風判定アルゴリズムが爆心からの当たり判定を持っているために地表の僅かな突起でも「爆風が遮られた」と判定され、あたかも垂直に高い壁があるかのように爆風がすっぱり切り取られてしまうという問題に起因するもので、エアバスター系では空中からの直線範囲であるために低い遮蔽の向こう側にも爆風の届く範囲が発生する。従って見掛けのスペック以上に榴弾砲では火力密度が下がり、相対的にエアバスター系の火力密度は高くなる。密度変化は着弾地の地形により大幅に変化するので平均値を算出するのは困難だが、仮に榴弾砲系の密度が半減するとすればタイタンで750強、コロッサスで600強、アトラントで500強となりエアバスターを下回る場面も出てくる。
また施設破壊に絞れば、自動砲台などは地面に直接据えられるのではなく低い台の上やBRの頭上ぐらいの高さの塀上に設置されるケースが少なくないため、エアバスターと榴弾砲では格段にヒット率が違ってくると思われる。