毎度お馴染み机上ボダブレ学講座。今回は「コア凸」を理論的に分析してみたい。
コア凸の成功度は単純に「コアに与えたダメージ」で測れる。もっと言えば「与えたダメージ/コア攻撃までに要した時間」。たとえば100秒かけて27000=10%削ったなら1秒あたり270=0.1%である。自軍のコア凸成功度合計が期待値で100%/600秒を上回ればコアが割れる。
毎回のコア凸に於ける与ダメージ量は携行火力と生存時間から測れる。M99サーペントを構えたシュライク2腕装備の強襲兵装なら秒間3870、継続射撃5.58秒+リロード1.28秒=6.84秒あたり21600ダメージ。平均すると秒間4579ダメージである。41を持っていれば1.12秒あたり12000ダメージ前後(減衰があるので正確な数値不明)、3発投げるのに最短で3秒、実際には5〜6秒かかっている。平均すると大体5560ダメージ/秒となる。つまり大雑把に言えば「ベース内で麻を1秒生き残らせるとコアが2%削れる」ということだ。勿論、実際には41ありの場合となしの場合でかなり火力に差が生じるので、最初の6秒程度で2%、そこからは1秒あたり1%を目安にするのが良かろう。
なお重火力の場合、瞬間火力最大の双門機関砲+プラズマカノンMk-2の組み合わせでは秒間平均火力は実に5032と強襲を上回る計算になる。ただし実際には反動や装甲の問題から持ち替えの遅い腕を使っていることが多く、恐らく実火力では同程度だろう。
さて次に、戦場生存時間を考えよう。遭遇する敵機の携行火力が4500/秒であると仮定すると、遭遇時のダメージは4500×交戦時間×被弾率×平均装甲補正となる。仮に被弾率10%、装甲補正120%ならば秒間540ダメージ。1機あたり4秒の接触で切り抜けたとして2160ダメージ、コアまでにのべ5機接敵したら凸失敗である。
実際に凸の際に合計20秒も曝露していたら確実に失敗だろう。可能な限り人目につかぬルートを回りACで敵機を振り切り、曝露を抑えてコアまで到達するのが腕の見せどころと言える。
被弾率は腕前や武装、距離、同時接敵数など様々な要因で変化する。静止している目標であっても、ごく近距離でなければ全弾命中とは行かないだろう。歩行による移動だけでも命中率は落ちるし、ダッシュやジャンプなども交じえれば格段に当て難くなる。静止状態で80%として、(√ステップ数+√ダッシュ初速(秒速) )^2程度の回避率と想定してみたい。例えば胴のブースト供給がA+(11ステップ)、脚のダッシュ速度がA+(27m/s)ならば80-(√11+√27)^2=7.53%、E(5ステップ)のE(17.4m/s)なら38.95%の被弾率。HG4胴+HG4脚だと20.21%。
また接敵数が増えた場合、被弾率も上昇する。単純に機数に比例するのではなく、1機×2回と2機×1回では2機の方が明らかに被弾率は高くなると考えられるので、仮にこの係数を「×機数×√機数」倍と考える。2機ならば2.83倍、3機ならば5.30倍。ヤクシャ改胴+シュライク5脚であっても同時3機接敵の状況では被弾率39.13%とEDGδ胴+HG3脚で単機接敵状況よりも被弾率が高い計算になる。逆に、こちらが多数の場合は1を割り込むこともある。例えば味方3機vs敵2機の場合0.54倍となり、ぐっと被弾率が軽減される。可能ならば凸は単機でなく複数機で足並み揃えたい。
さて、改めてコア攻撃の成功度を考える。ベース内ではほとんど主武器以外で攻撃しない(リムペを仕掛けておくなどの例はあるが)ため、便宜的に防衛火力を秒間3150程度と考える。するとベース内生存時間は、「残り耐久力/(火力3150×被弾率)」になる筈だ。
耐久フルのHG蛇が防衛1機相手にコアを攻撃する場合の生存時間は、耐久力10000÷(被弾率0.2021×接敵係数√1×1)×ダメージ3150×装甲係数0.79)=22.12秒。あるいはフル修羅であれば耐久力10000÷(被弾率0.1013×接敵係数√1×1)×ダメージ3150×装甲係数1.32)=23.74秒。
防衛が2機に増えると軽装で8.39秒、重装で7.82秒にまで生存性が低下する。逆に攻撃側が防衛機数を上回ると、例えば3vs2ならフル修羅43.62秒、フルHG40.64秒。
最後に、防衛ラインについて。つまり「どれだけ敵の最近傍拠点を遠避ければ良いか」あるいは「防衛機と攻撃機をどう配分すべきか」。
冒頭でも触れたが、コア凸効率はコアに与えたダメージとそれに要した時間で測れる。逆に言えば防衛のためにはベース内生存時間を可能な限り短かくすることと、最出撃から凸までの時間を稼ぐことが重要になる。
ベース内生存時間の短縮は難しいことではない:防衛機を増やせばいいだけだ。ただし当然ながら防衛機を増やせば増やすほど前線は下がり、自軍の時間効率が悪化し敵軍のそれが向上する。問題は自軍の効率と敵軍の効率がどこで逆転するか、だ。
マップにもよるがベースから最寄りのプラントまでは150〜200mほどの距離がある。プラント間は密集地で100m前後、カタパルト移動が前提の長距離プラントで200m程度。ベースから150m間隔で直線的に5つのプラントがあるとして、ベース間はおよそ900m。実際にはプラント配置は直線的でないので直線距離はもう少し縮まり、市街地で700mといったところだ。全行程をACで移動したとしてもベース間の移動には最短で27秒を要する。無論、実際にはACダッシュし続けることなどできないし、敵の目を警戒する必要も出てくるからおよそ倍程度の時間が必要だろう。実際に動画で確認したが、自ベース出撃から敵ベース侵入までは平均約1分かかっている。
ごく大雑把に言えば、ベース=ベース間の凸で1分だからプラント1つ分距離を縮めれば10秒の短縮が可能になる。つまり、「前線をひとつ押し上げた」=「敵の凸に要する時間を10秒伸ばした」ということだ。
また、長距離の凸には相応の装備と覚悟が必要となるから限られた面子しか実行しないが、前線〜敵ベース間の距離が短かくなれば強行軍も不可能ではなくなり、凸への参加機数は増加する。
凸参加数は概ね「全機数/(再出撃位置からベースまでの距離/75*(敵コアゲージ/自軍コアゲージ)」に準じる。つまり開幕直後の凸は1機程度、敵前プラント占拠しての凸なら5機程度。中央プラントを争う状況ならば2機前後だ。またゲージ差を空けられれば凸が多くなり、逆に差を付けていれば少なくなる。ここでも、「前線をひとつ押し上げた」=「敵の凸を減らした」と言うことができる。
上でも述べた通り、凸と防衛が1:1であれば1機あたり20秒前後の攻撃を許すことになる。ベース到達まで10秒、ベース内20秒、再出撃待ちで10秒、出撃拠点と兵装を選ぶのに2秒、着地まで3秒。最近傍プラントが占拠されていれば45秒ごとに敵機が押し寄せる計算だ。1:2ならばコアダメージをおよそ1/3に抑えることができるようになるが、5機の凸に対応するには10機全機で守らざるを得ない。
これがプラント一つ分戦線を押し上げるだけで55秒間隔3機にまで凸量が減少する。すると防衛機は6機で済み、4機は攻撃に回せる。二つ押し上げれば2機65秒。
「前線を下げた方が守り易い」という意見もあるが、それは全プラントを均等に防衛する場合に限る。拠点のすべてを守り続ける必要はなく、防衛ラインを引き突破させなければそれ以降のプラントを防衛する必要などない。むしろ、マップごとに行動を絞り込める位置をどう確保するかが肝要だろう(し、マップ構造は可能な限り絞り込みが難しいように作られる)。
実際にはラインを引き下げれば下げただけ、のべコア凸量を増やす結果になる。そして攻撃:防衛が1:1では防衛力が不足である以上、引き篭るよりは前に出続けた方がいい。理論的には10機全機の凸でコアはあっさり割れるわけで、むしろ「どうやって凸枚数を減らすか」が重要だ。