電波チェッカーの使い方

ソフトバンクは「電波改善宣言」の一環として、iPhoneアプリ「電波チェッカー」を配布している。GPS位置情報とその場所の電波感度を測定しソフトバンクに送信するもので、要するに電波強度を視覚化してしまおうという計画だ。
無論SBM側でも基地局の位置は把握しているし、増設にあたってはその地の電波状況調査などもしているだろう。だが事後にビルの建造などで電波状況が変化するのはよくあることだし、調査員の人数にも限りがあるから網の目はどうしたって粗くなる。それなら、実際に不便を感じているユーザ自身に報告してもらえばいい。無数の人手で細密にプロットされるほど、可視化の精度も高まる。まあ発想としては悪くない。


電波チェッカーを起動すると、上部に「設定」、中央に地図、その右下には「i」、下部に「現在地」「屋内計測」「屋外計測」とメニューが並ぶ。
「設定」は情報の取得精度と時間を設定する部分。徒歩での移動なら1分に1回も計測すれば充分だが、高速に通り過ぎる電車内であれば10秒に1回ぐらい計測する必要があるので、その辺の設定と、常時通信を必要とするため電池を消耗するので連続計測時間の設定を行なう。
「現在地」はGPSでプロットした現在位置にジャンプするボタン。屋内/屋外計測は電波強度測定の環境を申告するもの。建物内で1回限りの測定ならば前者を、移動しながらの連続計測ならば後者を選ぶ。
屋内計測では原理的に真の現在位置とのずれを生じ易いため、それを手動で補い正しい位置を示して計測する。計測データに場所名などの情報を添えて保存。
屋外計測では、現在地の表示方法を選べる。「現在地を中心にマップを動かす」か「マップを固定して現在地をどんどんプロットする」か。設定した時間が経過するか「終了」ボタンを押すと計測が完了し一連のデータをSBMへ送信する。
なお計測データはSBMへ送信される他にアプリ内にも蓄積され、マップ上にプロットした点が残る形で閲覧できる。逆に言えば他人のデータを見ることはできない。


実際に使ってみた。
GPSロガー系では受信開始したらスリープボタンで画面消しても受信を続けてくれるが、電波チェッカーではその状態だと電波感度を取得できないのか、どうも情報が更新されなくなるようだ。可能なら修正して欲しい。
ていうか情報取得中は他に何もできない。メール確認するとかWeb見るとかTwittwer読むとかゲーム起動するとか、一切不可能。これはつまりiPhoneマルチタスクが解禁されていないからなので、iPhoneOS4.0に期待するしかない。
せめてチェッカーからSafari呼び出すようにして、計測と平行してWebぐらいは見られるようにしてくれると退屈せずに済むのだが。
贅沢か知れんが、電波強度の測定それ自体はユーザにとって意味が薄い行為なので、1〜2回は物珍しさでちょっと起動してみるとしても、それ以降あんまり使わなくなってしまうのではないかと思うのだ。何らかの形で動機付けを行なうか、せめてネガティヴな要素を可能な限り減らす必要があろう。


可能であれば、これゲーム化してしまうというのはどうか。例えば、電波強度が弱いほどに得点が入るような。感度最大のエリアは0、1段階弱くなるごとに+1、電波の通じないエリアでは+10とか。また近辺nメートル以内に計測点がない場合はボーナス点が入る。ただし距離あるいは時間が離れていないと得点にならない(ので空白地で計測し続けても無駄)。あと位置情報が取得できなくても無得点なので、電磁波遮断しても駄目。勿論、海外も無得点。
そうすると電波強度計測そのものがひとつの楽しみとなり、情報の蓄積が早く進むように思うのだが。