ボーダーブレイク 重火力アセンブル考

BBは毎週のように何らかの変更があって戦況が変化してゆく。概ね隔週でマップが変化し、その1週間後に新装備が追加されるパターンが定着している。
新装備によって各兵装のセオリーも変化を余技なくされるが、最初に新装備が追加された重火力は今後暫くは(機体パーツ以外の)追加がなく基本的な評価に変化を生じないだろうということで、ひとまず解説を試みることにする。

武装

重火力の主武装はウィーゼル機関銃系列とGAXガトリングガン系列。大雑把に言ってウィーゼルは即時射撃可能だが射速がやや遅く、GAXは回転速度が上がるまで射撃開始にタイムラグがあるものの射速に優れる。
いずれもマガジンあたりの弾数が豊富で簡単には弾切れを起こさないが、代わりにオーヴァーヒートが設定されている。これは射撃時にレティクル部分に黄色い括弧状の線という形でゲージが表示され、左右3本を越えると強制冷却により数秒発射不能となってしまう。
強めの反動と優秀は言えぬ集弾率、それに弾数優位を無効にするオーヴァヒートの存在により当初の評価が低かった重火力兵装だが、射速、威力ともに優れたGAXの配備により完全に評価が覆った。確かにGAX系列は優れた武器だが、ウィーゼルが劣っているわけではない。


まずは重火力兵装の戦術火力グラフを御覧頂こう。
これはRグリップのAボタンクリック開始からの時間経過による累積ダメージを表したものだ。反動や集弾率は考慮されておらず、あくまで全弾命中を前提としたものだから、実戦でこの通りの性能を発揮するわけではないが、参考用としては充分だろう。
こうして見ると、まずGAXエレファントの火力優位が目立つ。しかし他武装に比して長い放熱時間のせいで継続的な火力では必ずしも優位でないことも解る。また初期火力も、空転時間のせいで鈍い。
他方、製造条件の割に性能を疑問視されることの多いウィーゼル・ラピッドだが、初期火力の優位性は抜群である。惜しむらくは継戦性の低さだが、放熱時間の短かさがそれを補う。
逆に継戦性の高さでAクラスでも主武装に据える人の少なからぬウィーゼルRは、全体的な優位性がほとんど見られない。ウィーゼルのみで比べれば三者三様に優位性があるのだが、GAXシリーズとの比較になると途端にラピッド以外の存在感が薄れる。


とは言え、実際にはこのグラフからは見えて来ない実戦での使い勝手というものがある:例えばGAX系に見られる初期空転時間の隙は、サワードロケットやECMとのコンボ、あるいは遭遇戦に於ける主導権の点で極めて不利だ。またノックバックを生じると回転が停止し、再度タイムラグを生じるのも痛い。
一長一短なので、それぞれを使ってみて自分の戦闘スタイルに応じたものを選びたい。

ウィーゼル機関銃

良くも悪くも中庸な武器。逆に言えば上位武器より優れたところも見られるということで、これ一本でも充分に戦いようはある。

ウィーゼルR

放熱強化により継戦能力がかなり増したが、代わりに火力と集弾率が低下した。狙いが精確でなく長時間の攻撃を続けたい初心者や、複数の敵機を一度に相手する上級者が好んで使う。

ウィーゼル・ラピッド

射速に優れ、高い瞬時火力を見せる反面、継戦能力が低い。主にサワードを当てて残った耐久力を削るといった使い方が中心になる。

GAXガトリングガン

毎分1500発という驚異的な発射速度ながら1発あたりのダメージの低さと集弾率に難がある。ただガトリング系列では最も軽く、また初期空転が短かいことからウィーゼルに近い使い方が可能。

GAXエレファント

最大の威力と高い射速を兼ね備えた、重火力を象徴する武器。「装甲を融かす」と形容されるダメージの高さは魅力的。ただし重く、反動が激しいため軽量機では扱い切れない。また空転時間から乱打戦に弱い面も。

GAXウッドペッカー

GAXガトリングガンの性能そのままに集弾率を大幅に向上させた武器。ただし銃身の安定化による代償として初期空転が非常に長く、後方からの援護射撃以外には不向き。SP回復の早い胴で長射程の榴弾を撃ち続けながらの掃討といった使い方が主体になるだろうか。

武装

現在のところ1系統、サワード・ロケット砲のみ。
ゲームシステムとの絡みもあってかなりクセのある武器と言える。
直撃時の火力はかなり高いが、爆風系武器は剣や銃と違い当たり判定が攻撃側ではなく回避側で行なわれる。通信対戦であり各参加者の画面には実は数秒のズレがあり、実際の展開はそれぞれ微妙に異なる。そのためサワードによる攻撃は、こちらから見ると確実に直撃させたように思えても、当たり判定側の画面では数秒前にそこから退避しておりダメージなしといったことが頻繁に生じる(サワード・ラグと俗称される)。
従ってサワード系は直撃を狙うのではなく付近の壁や足元に当てて爆風に巻き込むという用法が必須となる。

サワード・ロケット

そこそこの威力、そこそこの爆風範囲を備えた中庸な武器。あまり注目されないが、意外にリロードが早いという利点も。
色々使い倒して結局これに回帰する上級者も少なくない。

サワード・カスタム

対物性能特化型。威力が弱い上に爆風範囲が狭いため、対BR戦闘では確実に直撃狙えるような状況でもない限りかなり使い難い。3発連射可能な利点を活かして1〜2発を牽制に使い、回避を強要してブースト切れの直撃を狙う感じになるだろう。反面、コアへの攻撃では絶大な効果を発揮する。

サワード・バラージ

1射で3発を同時発射する。1発あたりの威力はサワード中最低、爆風も広くはないが、3発がやや拡散しながら着弾することで総合的な爆風範囲は割合広く、また1射あたりの合計威力としてはコングよりも高い。対コア性能も高いが、中距離以遠では拡散し過ぎて当たらないので近距離戦闘特化。またリロードが遅めなので1発撃ったら主武器に切り替えるような戦い方になるだろう。

サワード・コング

絶大な威力と爆風範囲を誇る最終兵器。リロードと弾速が驚くほど遅く、「撃った直後にノックバック受けて弾頭を追い越して自爆した」という逸話があるほど。やや弓なりに落下する弾道もクセが強く、まともに扱えるようになるまで1ランク程度の降格を覚悟したい。実質的には水平発射の榴弾砲と考えるのが良いかも知れない。サワードシリーズでほぼ唯一、複数の敵機を一度に葬れる能力があり、使いこなすと手放せない。

補助武装

ECMグレネードはダメージがなく、一定時間だけ視界を奪う特殊な装備である。敵も地形も見えなくなるため反撃はおろか回避すらまともにできなくなり、一方的に仕留めることができる。反面、投擲なので着弾位置をコントロールし難く、効果的な扱いが難しい。複数の敵がいるプラントなどに投げ込んでから突撃するのがいいだろう。

ECMグレネード

初期装備にして充分な性能。広い範囲に作用し、5秒間視界を攪乱する。

試験型ECMグレネード

効果時間たった2秒、効果もやや弱く完全な攪乱には至らないが、代わりに起爆までが短かく「予め投げ込んでおく」のではなく「目の前の敵に当てる」使い方ができる。効果範囲も非常に広い。

新型ECMグレネード

初期型よりも作用が強く長いが、効果範囲が狭くなっている。また、これだけ2発しかない。総合的に見て初期型と大差ない割に要求素材が高い。

特別兵装

重火力の華、榴弾砲である。遮蔽物の陰から離れたエリアを一方的に攻撃でき、威力も高く範囲も広い。これをどう使いこなすかが重火力に問われる資質と言える。
プラントの占拠が戦術面でも戦績面でも重視されるBBでは戦闘エリアが狭い範囲に集中しがちなため、戦局を見て集中的に砲撃することで一挙に撃破を得易い。ただし発射から着弾までには数秒のタイムラグがあるので、敵機の移動を読んで使わないとまったくの空振りになりかねない。
着弾予定位置にはオレンジ色の火柱がほんのり光るので、これを見て回避することができる。ただし集中砲火を浴びると完全回避は難しい。
ダメージを与えるだけではなく、進路上に降らせることで侵攻を阻害するなどの使い方も考えられる。

タイタン榴弾砲

初期にして充分な性能の砲。中庸に思えるが、実はSP回復が最も早く、砲撃主体の戦闘ならば悪くない選択。直撃すれば撃破できる程度の威力、プラント手前から敵側プラント奥までを収める程度の射程、それなりの弾数と使い易いバランスに仕上がっている。また重量の軽さも見逃がせない。

コロッサス榴弾砲

射程と威力を犠牲にして弾数と着弾速度を向上させた、速射型近距離面制圧用の榴弾砲。今から突入する場所を準備砲撃、4発程度に分けて広い範囲を制圧、通路に継続砲撃して進路妨害など使い勝手が良い。反面、射程の短かさから必要な場所に砲撃できない、撃破支援は量産するが撃破に至らないなど微妙な部分も。

アトラント榴弾砲

長射程かつ高威力の榴弾砲。その代わりに弾数が少なくなり、着弾までが長くなり、かつ精度が悪化した。交戦エリアの手前プラントから敵ベースの砲台を潰せるほどの射程は魅力的だが、命中するかどうかは賭けに近い。ベース前プラント占拠中に敵側第2プラントに向け砲撃しておくと、丁度占拠を終え殺到した敵を撃破できることが多い。

ギガノト榴弾砲

砲弾はたった1発、着弾までは最長の10秒。ただしGPS誘導により着弾は精確、威力も範囲も絶大。使う人が使えば5機6機同時撃破すら不可能ではない超絶兵器だが、10秒先を見通す戦術眼が要求される玄人向け装備。
精確に指定地点に落下するので、タッチ後の指ずらしでコントロールする。1発で全SP使い切りなので他の砲のように途中での追加射撃ができないデメリットを抱えるが、その反面砲撃時の拘束時間が短かいというメリットもある。

アセンブル

重火力は基本的に装備重量が極めて重いため、それに耐える重量耐性が要求される。必然的に重量級になりがちだが、必ずしも中〜軽量級で使用できないわけでもない。
まずはどうしても外せない要素を見定め、それを最大限に活かすアセンブルを考えたい。
例えばギガノトとコングを使いたいとか、逆に強襲メインなので可能な限り高機動性を保ちたいとか。

重装甲大火力

重火力の基本形。HG主体の機体構成でエレファント、コング、ギガノトを装備し火力と装甲で戦線を押し込む。高い重量耐性のHGでさえ重量過多で機動性は劣悪だが、それをものともしない火力と装甲で圧倒する。
脚はクーガー並みの機動性を持つHG4が主流だが、フルHG重装備では重量過多により機動性の優位が得られなくなるので、敢えて装甲の厚いHG3を選択する例も多い。
腕はクーガーの上位互換と言えるHG4か、暴れ象を抑え込むHG3、あるいはコングとの持ち替え・リロード重視で敢えてシュライク2、リロードと反動吸収の両立でツェーブラなどが好まれる。
頭はHG3でフルHGの装甲ボーナスと長いロックオン距離を活かすか、そこそこの装甲と良好な射撃補正を採ってツェーブラが多い。

高機動砲兵

重量耐性とそこそこの機動性を両立するツェーブラ41脚に軽量高性能なシュライク5-2-2を載せた最速砲兵。持ち替えの早さを活かしてECMからサワードやラピッドで削れば前線で充分立ち回れる。ただし実質フル修羅ながら機動性ではそれに劣るので、あまり前に出ると辛い。