谷山浩子ならこの曲を聴け!10選

ご夫婦のけまらしい仲睦まじい様子が微笑ましい、というかなんか懐かしのノリ。はてなに主軸が置かれていた頃は結構見た動きなんだけれど、最近では各自の活動拠点がかなり分散していることもあってあまり出て来なくなってるような気がする。


元ネタはHM/HR、つまりヘヴィメタル/ハードロック系なのだけれどそっちは何か言えるほどの蓄積がないので、自分の一番コアな辺りを探って谷山浩子を引っ張り出してみることにする。
コンセプトは「谷山初心者を暗黒面に引きずり込む10曲」。なので明る目の曲は一切入ってない。

まっくら森の歌(しっぽのきもち)

とりあえず定番曲。歴代みんなのうたでも常に人気上位を占め、谷山浩子の名を知らずともこの曲には聴き覚えのある人も多かろう。この後お薦めする暗黒面はほとんど顔を出していないのだが、それでも谷山独自の幻想性はしっかり出ているので、まずは入門用に最適。逆にこれが受け付けない人に谷山浩子はお薦めしない。

王国(歪んだ王国)

ファンタジー方面から徐々に暗黒面へシフトしてみよう。この曲は時の止まった王国にただ二人暮らす少年少女の物語。アルバム全体が「時」をテーマにまとめられており、深い青のジャケットイメージと共に深い海底へ連れて行ってくれる。

休暇旅行(天空歌集)

アルバムは1曲目でどう聴き手の心臓を鷲掴みにするかが重要だが、この曲はいきなり永劫の時間へ放り込んでくれる。谷山浩子最長曲(扱う時間単位が)のひとつ。矛盾表現による「形容し難いものの形容」を堪能されたい。

不眠の力(ボクハ・キミガ・スキ)

タイトル通り、恋愛がメインテーマのアルバムより。個人的に黒谷山の中でも恋愛絡みの暗さというのはあまり好みでないのだが、この曲はスケールの違いに圧倒されてそんなことどうでも良くなる。「誰か私に眠りを、安らかな眠りを/眠れぬ限り世界はやがて廃墟になる」成就せぬ恋に世界を滅ぼす少女の物語。

Sakana-Girl(漂流楽団)

恋愛に絡んだ、かなり直截的な歌なので手放しでお薦めは致しかねるのだが、思わず比喩に取ってしまいそうな内容を敢えて字義通り受け取って欲しい。こういうものを比喩だと考えると途端に陳腐になってしまうのだが、本当にそういう場面なのだと考えると幻惑の扉を開くことができる。訓練曲ということで。

第二の夢・骨の駅(お昼寝宮・お散歩宮)

そろそろ暗黒面全開にしても大丈夫な頃だろう。組曲お昼寝宮・お散歩宮」より第2場面。もうタイトルからして暗黒だが内容は想像に違わぬ、あるいは恐らくそれ以上の暗黒。

たんぽぽ食べて(たんぽぽサラダ)

タイトルからは想像できぬ暗黒曲。旋律が奇妙に明るいのが尚更暗闇を強調する。「休暇旅行」もかなり予想を裏切り続ける歌い難い旋律だが、これも相当なものだ。

ドッペル玄関(僕は鳥じゃない)

暗さに慣れてきた頃合いを見計らってどん底へ突き落と……というかむしろ真横から別次元へ突き飛ばす感じで。グロさもシュールさも半端ない迷曲。

まもるくん(フィンランドはどこですか)

シュールにもう一発。今までの暗黒谷山とも違う、暗さがない分奇妙さだけが一層強調された珍曲。脳裏にこびり付く洗脳音楽である。

かおのえき(テルーと猫とベートーベン)

シュールさを保ちつつ暗黒幻想方面へ回帰する1曲。アラビックな旋律が新鮮。できればベクシンスキーの画集を眺めつつ。