ブースデザインで心掛けるべきこと、などは過去の記事で既に大体述べたのでそちらを参照頂くとして、今回は土曜日にぐるりと会場を巡っての総括的感想など少々。
壁面利用と差別化
別段私の研究記事が影響したわけではなかろうが、今回はレンタルの白壁利用が目立った。これは左右及び背後の空間と自分のブースを切り離して独自の空間演出を可能にすると同時に、立体的な展示スペースを確保できるメリットがある。平面的商品を中心に展開するなら積極的に導入を検討されたい。
その反面、ブースデザインとしては白壁が目立ち易く、似たような印象を与えがちでもある。壁を利用するならば、布で覆う、絵で埋め尽くすなど、白壁の露出面積を減らす工夫が必要だろう。
複数ブース結合
今回はいつになく大きな合体ブースが出現していた。通路の左右3ブースづつを借り切って横断幕を渡し、正方形の大きなブースとして利用してしまう手法。これはなかなか人目を引く。
ただし空間が大きい分、それを埋め尽くせるだけの商品量が必要になることに注意。金額も大きくなるため基本的には大手にのみ許されるやり方だが、団体で共同利用する手もある。
情報密度の重要性
デザインフェスタでは以前から絵の展示販売が行なわれているが、近年人気のあるタイプが「書き込み密度の高い」もの。必ずしも画面を隅々まで埋めているということではなくて、被写体が細密に描写されていることこそが重要。
ディティールが細かいということは小品でも大きな情報量を持つということだ。眺めるほどに情報が引き出され、その奥行きに圧倒される。単純に言うならば「迫力」の違い。
常連化
1回限りの展示で成果を挙げるためには相当な品質が(ブースデザイン・作品ともに)要求されるが、出し続ければ「常連」という印象がプラスされるために、作品やブースのインパクトを一段押し上げることができる。勿論、印象に残る程度のブース/作品の質は前提条件だが。
また出展によりある程度の「反省点」がノウハウとして残される。そういうものはトライ&エラーでしか蓄積できないし、使わずにおくと錆び付いてしまう。続けることで効率を改善してゆくことができ、それは品質や売り上げにも直結する筈だ。