歴史問題の認識差違を探る

ちょっとはてなブックマーク - 世界はヒロシマを覚えているか(1)「ヒロシマ原爆も捏造だった?」 - mujigeの資料庫の問題について書いているうちに、各国の歴史認識の差違が気になってきた。
日本ではよく知られていても世界的にはそうでもない事件、あるいはその逆というのはあるだろう。その程度を検証するにはどうすれば良いか。


ひとまず「百科事典への記述」を調べてみることにした。
例えば原爆投下に関して、Wikipedia日本では広島市への原子爆弾投下及び長崎市への原子爆弾投下という項目を設けて詳細に解説している。英語版wikipediaではAtomic_bombings_of_Hiroshima_and_Nagasakiと一纏めながら結構な分量を割いての解説がある。しかし、これが例えば韓国語版になると핵무기と、「核兵器」の項で実戦投入事例について触れるに留まっているようだ。なお中国語版では广岛市原子弹爆炸及び長崎市原子彈爆炸と、日本語版並みに個別解説されている。ここまでしてあるのは他にトルコ語版だけだ。流石に関連作品などまでは触れていないものの、記事内容としては概ね日本語版に準じているようで、これはちょっと意外だった。
次に南京大虐殺についても同様に調査する。日本語版は南京大虐殺、英語版ではNanking_Massacre。図といい内容といい、明らかに英語の方が多い。当事国である中国は南京大屠殺"で英語版に準じた分量。ちなみに韓国語版では난징_대학살と、ごく軽い紹介程度に留まっている。


主に分量について述べているのは私に内容まで吟味できるだけの能力がないからだが、今問題にしているのは「各国でどの程度認識されているか」の傍証としての百科事典への記述量に過ぎないので、あまり気にしない。
さて、数少ないサンプルから言えることがあるとすれば以下のようになろうか:
1:何事につけ情報を集め易い英語版は充実している
2:当事国、とりわけ被害国では得られる情報も多く詳細な記述が為されるが、加害国側ではしばしば記述内容で論争が生じ半端な記述になりがち
3:当事国以外ではあまり関心を持たれず、記述が少ない
まあ、正直たった2サンプルで何をか況んや、であるが今回の目的はWikipedia調査ではないので、そこは軽く流す。単に温度差がかなりあるということが確認できればそれで良い。