細菌性の風邪

という言い方は正しいような正しくないような。


風邪というのは特定の病を指す名称ではなくて複数の症状を総称する漠然とした名称なので、「鼻水が止まらない」「咳が出る」「喉が痛い」「発熱」のうち2つぐらいに当て嵌れば風邪、と言えなくもない。ただしこれら症状に当て嵌っていても、別の病名が確定していれば風邪とは呼ばれないのだけれど、その点で今回のものは風邪なのかそうでないのか。


A群β溶血性連鎖球菌感染症。主症状は喉の腫れ、発熱。その他頭痛、鼻詰まり、吐き気、腹痛などを伴う場合もある。
喉が腫れる風邪として主要なのはアデノウィルスによるものだが、咳を伴わない、またリンパ節(耳の下あたりのやや膨らんだ部分)の炎症を伴わない場合は溶連菌感染の疑いがある。
ウィルスではないので抗生剤が有効であり、この点で他の風邪より治療し易い。また喉の痛みは消炎鎮痛剤でかなり抑えられる。
「風邪は医者にかかっても治らない」のだけれど、今回のように治せる風邪もあるので、その辺の見分けも兼ねて一度は受診しておくべき。