Color Me Shop! Pro+カラメルと競合他社の比較

先に料金形態の変更について「改悪」云々という記事を書いた。納得行かない形態での支払いを許容することはできないが、それはそれとしてコミュニティなどを見ていると「それなら楽天Yahoo!にでも出す」といった発言が目立つので、その効果程度について考えてみることにする。


ColorMeShop!Proはオンラインショッピングシステムのレンタルとしては驚異的に安い。年間契約だと875円/月、年間で10500円。安価なサーヴィスで競合するおちゃのこ.netが月額2000円、年24000円。Yahoo!及び楽天だと最安価で月額19800から、年間で237600円である。
もっともYahoo!ショッピング楽天は単なるショッピングカートレンタルではなくモールだから、その分を勘案せねばなるまい、がColorMeと連動するWebモール「カラメル」は現在315円/月、4月からは月額固定費用なしとなるので、その点まで含めても圧倒的に安い。


その代わりカラメルでは、カラメル訪問履歴のあるユーザによる30日以内のカラメル出店店舗での購入について3.5%の手数料を徴収する。またカラメル経由でなくてもカラメル全店共通ポイントの利用ユーザであれば1.5%の手数料を徴収し、これをユーザへ付与するポイントとする(カラメル経由の場合は3.5%のうち1.5%をユーザ還元)。実質的に、ここで付与された分は各店の支払いに充てられ2度利用されるので、カラメル経由で3.5+1.5=5%、非経由の登録ユーザで1.5+1.5=3%の収入減という計算になる。
さて、競合他店での手数料設定はどうなっているだろう。Yahoo!ショッピングの料金案内には丁度楽天との比較が出ているので参照すると、Yahoo!:50万円以下4.5%〜1000万以上3%、ユーザへのポイント付与分1%、アフィリエイト経由売上に対し追加で1.3%、その他初期費用20000円。
楽天:50万円以下6.5%〜1000万円以下3.5%。アフィリエイトやポイント付与分はちょっと解らなかったのだが事実上の初期費用としてマニュアル購入費用が32,000円。


ちょっと判り難いが、仮にColorMEShop!proでの購入がすべてカラメル+ポイント付与だったとして売り上げの5%が損益。Yahoo!楽天との月額費用差額である18825円を手数料が上回るのは月の売り上げ37万6500円以上の場合となる。ただしこの金額だとYahoo!で3.7%(月額39800円のロイヤルプラン利用時)、楽天でも4%(月額50000円のスタンダードプラン利用時)の手数料が生じるので実質差額はもっと大きい。実質的に、月額200万円あたりでColorMeShop!proの利用料金が10万875円に対しYahoo!ショッピングで10万3800円とほぼ匹敵する感じなので、これが一つの目安となるだろう。
ただしポイント付与1%+アフィリエイト1.3%も考えるとYahoo!の実質出費は更に大きくなる。売上200万に対し利用費用は14万9800円。400万あたりでやっとColorMe!20万875円に対しYahoo!19万7800円と逆転する。
他店がどのような形態で利用しているのかまったく判らないから判断は難しいが、Webショップで月商400万を売り上げている店舗がいくつあるだろうか。元々初期費用の安さが魅力の一つであるので、そもそも大きな売り上げを期待できない店舗が多いのではないかと思う。逆に月商400万も行くような大手なら、自社で独自に使い勝手の良いシステムを構築するぐらいの余裕があるだろう。モールの集客力などを考慮し敢えてASPの利用を続けるという選択肢もアリだが、商品点数が多くなってくると手作業前提のシステムではちょっとコントロールが苦しい。
現状875円(+ドメイン料程度)で済んでいる利用料金が唐突に数万円増えるとなれば反発は致し方ない、が正直これで経営成り立たないような店舗はそもそも利益率設定が低すぎるとは思う。カードの決済手数料+カラメル分でも最大10%。いくらなんでも利益率10%の商品とか有り得ない。


さて、最後にショッピングモールとしての効果程度を考察して筆を置くこととしたい。
Yahoo!ショッピング全体のページビューは140〜150万/日。対して楽天その1/10ぐらい。ホントか?
いや実は単位書いてないんで適正なスケールで比較できてるのかどうかイマイチよく判らないんだが。
さて、我らがカラメルはと言うと……更に1/200ぐらいか。正直まあ、較べるべくもない。
ただしこれはモール全体での話。店舗あたりの平均PVに直すと、楽天25000店舗なので1店舗平均で6pv、Yahoo16500店舗なので90.9pv、カラメル4000店舗で0.5pv。なんかYahooの数字がショッピング以外も含んでそうで怪しい気はするが、これを鵜呑みにするならば1pvあたりのコストで言ってYahoo!ショッピングが最もコストパフォーマンス良いという理屈になる。しかし現実には、Yahooと楽天に同時出店すると明らかに楽天側の方が売り上げが高いらしいのだが。


とまれ、分岐点400万の壁は結構厚い。いかにYahooの露出がカラメルの180倍高いのだとしても、恐らく売り上げの差は精々その平方根以下だろう。√180≒13.4倍ぐらいか。
いや、実際には単に場所を変えただけで十倍にも売り上げる見込みはかなり小さい。平均PVで見れば確かにそのような結果になるのだが、検索アルゴリズムの性質上その格差は拡がる傾向が強い。従って末端の小店舗はほとんど動かず、注目を集める大手だけが大きく売り上げて平均を押し上げる構造なのだろうと推測される。
2:8の法則なんて言葉があるが、それを鵜呑みにするならば大体数にして2割の人気店舗がpvの8割ぐらいを独占し、残り2割を8割の店舗で奪い合うような構造になると思われる。つまりYahooの場合(150万×0.2)/(16500×0.8)=22.7pv/日ぐらい、カラメルなら0.05pv/日ぐらい。倍率454倍、平方根を取って21.2倍ぐらい。


果たしてColorMeからの乗り換え、得と出るや否や。個人的には大変興味あるので、乗り換えたという店舗が居られたら是非その体験談を公表頂きたい。