はやぶさ(MUSES-C)、イオンエンジン再起動

満身創痍で一時は行く末を絶望視された日本の小惑星探査機が、順調に帰還準備を整えている。
米国の後塵を拝してばかりだった日本の宇宙開発に於いて、極めて希少な意欲的プロジェクトであったはやぶさ小惑星への着陸を成功させたのは米NEARシューメーカーに続き2例目であり、小惑星からの帰還/サンプルリターンを果たせば月以外の天体からのものとして世界初となる。
が、3基の姿勢制御用リアクションホイール中2機が故障、またメインエンジンも燃料漏れを起こし、更にこの気化による放熱でバッテリーが放電しシステムリセット、最終的には噴出した燃料の影響か姿勢を乱し3ヶ月に渡って通信途絶と、一時は生存が絶望視された。しかし燃料の噴出を制御しての姿勢安定など帰還への努力は続けられ、昨年10月にはメインエンジンの試験起動にも成功。そして本日、帰還に向けた本格起動を再開した。
来年6月には地球へ帰還、サンプルを格納したカプセルが大気圏再突入の予定。
あまりに満身創痍、あまりに健気な努力の様子が広く共感を呼び、擬人化Flash動画などが作られもした。
直接関係するものではないのだが、私も応援的に1本作ったので再掲しておく。

願わくば無事に帰還しますように。そして願わくば、成果としてのサンプルリターンが成功していますように。