ネットの右傾化研究

Web上でのアンケートを元にした研究。なかなか興味深い。ネット右翼の定義とその傾向などがきちんと分析されている。とりわけ、2chが右傾化に大きく寄与しているとの指摘は興味深い。Webにより世界はフラットになったが、同時に広大に過ぎて却って偏在化している*1ことが窺える。また傍観者的態度が強いほど、移民排斥感情、政治的ナショナル・プライドが高い「炎上」に対しては、許容的な態度をとる者ほど、 概して移民排斥感情が強く、移民肯定評価が低い、愛国心が高い(19ページ)というのも2chの方向性と見事に親和する。
残念なのは「右傾化」についての研究と銘打ちながら、実態としてはネット右翼の姿を研究したものであったということ。「傾化」であるわけだから、過去と比較してどのように割合が推移したか、という辺りを期待したのだが。

*1:無限の選択肢があるので好きな物しか見なくてもやって行けてしまう