アナログゲーム分類

アナログゲーム、という呼称はコンピュータゲームの総称としての「デジタルゲーム」の対義語として使われている。アナログの意味を考えれば語としては誤りと言えるが、意図するところは伝わるだろう。


ひとくちにアナログゲームと言っても、その包摂範囲は広い。ボードゲーム、カードゲーム、ダイスゲーム、シミュレーションゲーム、ウォーゲーム、テーブルトークRPG……「電源を必要としないゲーム」という以外にほとんど共通点のないものが一括されている。
ちょっと分類してみよう。

アナログゲーム系統樹

細分化するときりがないので大枠で。
最上位分類は適切なカテゴリ名称がないので今作った。ルールにゲームの必須要素である「初期状態」「取り得る行動」「勝利条件」がすべて内包されたものがクローズド、「取り得る行動」だけ規定されていて初期状態/勝利条件がユーザ任せになっているものがアンクローズド。
クローズドの下位分類は正直あんまり意味がない。単にコンポーネントの形態程度だ。むしろメカニズムによる分類を試みるべきかとも思ったのだけれど、ひとつのゲームに複数の要素が内包されるのは珍しくないから、分類としては適当でないようにも思う。
アンクローズドの下位分類について少し。
シミュレーションゲームというのは要するに、何か特定の「法則」の再現を狙ったもの。再現したい状況についての法則がルールとして規定されるが、状況はユーザが自由に指定できる(それだとまともなゲームバランスが保証されないので、普通はいくつかのシナリオが付属しているが)。
シミュレーションゲームのうち、特に戦争を扱うものを総称してウォーゲームと呼ぶ。これは再現したい内容で分類したカテゴリ。
またミニチュアを並べて遊ぶものをミニチュアゲームと呼ぶ。これは道具で分類したカテゴリ。実際のところ、ミニチュアゲームの多くはウォーゲームでもある。
ミニチュアさえ使えばなんでもミニチュアゲームと呼べるわけだが、システム上の差異として特に切り分ける場合は、一般に「升目」を用いるかどうかで判別する。普通、コマの移動を伴うシミュレーションゲームでは盤面を正方形または正六角形の升目に区切り移動を制御するが、ミニチュアゲームではそれをしない。専用のゲージを使い実際にミニチュアを移動させる(例えば、「4インチ前進してから右角を支点に4インチ回転」というように)。
ロールプレイングゲームシミュレーションゲームから派生したジャンルであり近い性質を持つが、一部ではより限定的であり、他方ではより包摂的である。つまり、通常1プレイヤーあたり一個人のみをプレイし、不特定の状況を再現するために作られている。
割合具体的で物質主義的に作られているシミュレーションゲームに対し、ロールプレイングゲームはもっと観念的な方向に進化しつつあるようだ。