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速水螺旋人の『馬車馬大作戦』を読んでたらウォーゲームしたくなった。

速水螺旋人の馬車馬大作戦

速水螺旋人の馬車馬大作戦

ソ連軍マニアの描く妄想戦記モノである。カッコ悪くて弱い珍兵器ばかり(しかもすべて非実在)という好事家垂涎の一冊。南米湿地戦用の装甲ガレー船とか兵站部がやけに力を持っている(アンバランスな)軍の武装野戦炊飯車とか、もう堪らん(氏はかなり兵站マニアであるようだ)。


大戦略』などの著名なウォーゲーム類ではほとんど表現されることのない兵站部だが、近現代戦では極めて重要な意味を持つ部分でもある。
中世までの戦争とナポレオン以降の近代戦の最大の差は「補給」の概念であるという。それまでは「行軍先で略奪」だったために一箇所に留まるということが不可能で補給のための行軍を強いられたのが、専門の補給部隊により糧食が供給されるようになることで真に戦術戦略的な行軍が可能になったのだ。
その代わり、補給戦を分断されると前線が行動不能になるという弱点も発生した。とりわけ縦深な侵攻を行なうとその分補給線が伸び、コストは劇的に増加する。
マニア向けな非電源のウォーゲームではこうした部分の再現に重点を置くものもあるようだが、一般には兵器/兵力そのものに注目され易く蔑ろにされがちだ。


いつぞや近代戦モノのTCGを夢想したことがあった。この時の悩みのひとつが「Magic;The Gatheringのように色による縛りがないので単調になり易い」ということだったのだが、補給の概念導入でかなり変えられるのではないだろうか。
例えばキャスティングコストに加えて(或いはその代わりとして)維持コストを設定、毎ターンの補給能力内での運用を強いる。リソースは開発、製造、補給にバランス良く投資し「強い兵器を」「沢山作り」「沢山運用」できるように気を配らねばならない。
距離概念があるなら、これに加えて本国からの距離に応じ補給コストを増加させたいところだ。
航空機は飛行場を拠点としてのみ行動できるものとする。ターン毎のフェイズ分けとして「空軍移動」「海軍移動」「陸軍移動」「空軍帰還」ターン内に飛行場へ到達できなかった航空機は全滅扱い。空母は移動する飛行場として機能……


本格的ウォーゲームをみっちりやるのはきっと楽しいのだろうが、その道未経験者にとってはプレイ時間を含めて障害が多いのも事実。
というわけで、手軽かつ雰囲気の良いウォーゲームとして『メモワール'44』が欲しくなった。
http://www.rakuten.co.jp/arclight/728881/730687/
(楽天商品データの挿入ができないのでURLで)
1プレイ30分、陣営交代して2戦するので1時間。
初期設定はたしかノルマンディ上陸作戦あたりをやる筈だが、東部戦線ほか複数の追加セットが出ているのも嬉しい。
惜しむらくは基本セットが少々高額な点か。まあコンポーネントが充実しているので仕方ないのだが。
バネスト見たら残1とあるので思わずポチったのだが、そしたら「在庫ありませんでした、入荷も未定です」と連絡が。残念であるが半ば予想したことではある。