片付けの分岐点

片付けというのは然程散らかっていないうちは楽なもので、物が増えてくると段々面倒になってくる。
しかし片付けの必要性というのは逆に汚くなればなるほど増加するわけで、最初のうちは大して人を片付けへと駆り立てる圧力が生じない。
楽なうちは片付け圧が弱く、片付け圧が高まるときには面倒も増えてしまう。


ところで、物量の増加は時間に対しほぼ一次直線的にしか増加しないのに対し、やる気の低下は二次曲線的に推移すると考えられる。
物量の増加直線とやる気の低下曲線の交点aが片付け分岐点である。ここを越えると物量がやる気を超過してしまい、片付け遂行が不可能となってしまう。

やる気の低下曲線と片付け圧の上昇曲線の交点bは、実際に「片付けよう」と思い立つ時点である。またb時点での物量がc。
図では時間軸上のa<bとなっているために片付け分岐点を越えてからでしか片付けに至らず、結果として部屋が片付かないというモデルになっているが、この物量増加線ややる気低下線は人によってかなり傾きが異なることが知られている。相対的に物量増加線が点線のように低い推移で収まる人はきちんと片付けできる人と言える。
増加線を抑制するための手法のひとつとして物量の上限を低く抑える(=モノを持たない)方法はある程度有効であることが知られているが、その方法では片付け圧臨界の突破が抑制されるだけで、臨界前に片付けを行なうようになるわけではなく、また根本的に物欲を抑えることができなければいずれ元の木阿弥となることは明らかだ。