イジメ非対称問題

「苛めた方は忘れているが苛められた方はずっと覚えている」よく言われることである。被害者には重大でも、加害者にとっては大したことでもない……そうなってしまう理由の半分は「人生に対する影響」だと思われるが、もう半分はもっと単純に「加害者側の一人あたり加害量は少ない」ということなのではないかと思う。つまり、一人一人から受けるイジメ量は大したことないが、クラス全員ともなると受ける側の合計量としては結構なものだ、という。
加害者と被害者が1:1であれば問題はかなり軽減されるが、イジメのイジメたる所以(の1つ)は数の暴力、多勢に無勢状態にあるわけで、一人が特定の一人を苛めるだけであればむしろ加害者が問題視されて迫害を受けるだろうし、クラスが被害者と加害者に二分されるようであれば被害者側も徒党を組むことが可能になり下剋上の可能性が出てくる。まあ実際はそこまで単純でもないにせよ、結局のところ問題を深刻にする要因の一つは非対称性にあると言わざるを得ない。