嫌な人だけ放逐したコミュニティ

というのは実現可能なのかどうか。

質問と回答の多い技術系コミュにありがちなこととして、

  1. コミュルールに沿わない投稿多数
    • 単発質問で新規トピック作成→注意と誘導
    • 過去ログ読まずに同内容で質問→注意と誘導
    • 質問時の必須項目無視で投稿→注意
  2. 注意者に「その言い方は冷たい」「答えてあげればいいのに」など批判
  3. ルール遵守派vs人情重視派で論争
  4. 特定人物の追放あるいは管理者への不信任を求めて第三者住民投票開始
  5. 「対象人物を除外した新規コミュニティを立ち上げました」

こうした現象は、とりわけ大所帯なコミュでは止むを得ないところだ。気心の知れた仲間だけで構成されているわけでなし、価値観の異なる人達の衝突は避けられない。
ただ、原因はどうあれ除外運動はそれ自体が荒れの原因になるし、また特定個人の排斥をルールに掲げるコミュはそれ自体長くは保たないのではないかと思う。偶々共通の敵がいたからこそ団結していただけで、新コミュに移ったからといって全員が同じような価値観を共有しているわけではないのだ。すると、多分そのコミュが大型化していった時にまた同様のトラブルが発生し、再び分裂を繰り返すだろう。
究極的には、嫌な人をすべて排斥して一人。それは最早コミュニティではない。


現コミュに我慢ならぬほど嫌な点があるならば、そこを脱退し、必要に応じて似たような目的の新規コミュを立ち上げるのが最も穏便だし手っ取り早い。しかし、4の段階で行なわれることはそれとは正反対で、自分が出て行くのではなく自分の気に食わぬ人物を追放しようとすることだ。
実際のところ、コミュの財産とは即ち人であり、人のいない新コミュに魅力はない。自身が元コミュに於ける中心的存在であるとの自負があり、他に力のある構成員をまとめて引き抜けるならば話は別だが、大元の目的が特定人物の排除にある以上はどうしても感情的反応ばかりが先立ち、理性的なメンバが揃うことは期待できまい。コミュの性質にもよるが、少なくとも技術系コミュでは理性的メンバが最も技術に詳しく必要性が高いし、またルール派に身を置きがちなので、結果として分裂先コミュの発展は到底望めない。
反対運動を起こす側もそれは薄々判っていて、だからこそ出て行くのではなく追い出したがるのだろう。しかしそれは分の悪いクーデターのようなもので、たとえ成功しても状況が好転することはまずない……無理やり追い出したことに不満を唱える分子を次々粛清するようなコミュになることで首謀者の安寧を図ることはあるかも知れないが。