今回のは実演家の保護期間延長らしいが。
著作権保護期間の延長と言えば「ミッキーマウス保護法」と呼ばれたソニー・ボノ著作権延長法に端を発する一連の措置である。1928年発表のディズニー作品保護が目的と言われ、事実この措置によって著作権切れを免れた作品のうち、現在でも商業流通しているのはほんの1%ほどらしく、ディズニー以外にとりたてて延長を必要としている作品もなさそうではある。
仮令たった一著作者のためだけの措置であろうとも、その作者だけを特別扱いするわけには行かないので、影響は結果として全体にかかってくる。著作権保護は国際条約により相互保障を原則とするので、事態は米国だけの問題に留まりはしない。
そしてディズニーは恐らく20年の延長で満足しはしない。それは自社の莫大な利益、ひいては社の存続そのものに関る重大な問題であるからして、20年を待たずして更なる延長に向けた活動が展開されるであろうことは明らかだ。願わくば未来永劫、自社の権利が保証されますように。
となれば、自動的にあらゆる著作物は永劫にその著作権を失効しないことになってしまう。
どうも著作権議論については原理的な話に終始しがちだ。そもそも文化振興を旨とするなら保護強化よりも利用可能性強化の方が効果的ではないか、そもそも法が現状とまったく噛み合っていないのではないか。それは重要な議論なのだが、その陰で「一度延長したが最後、未来永劫権利が存続することになる」という可能性は見過ごされがちであるように思うが、どうか。
ところで冒頭に挙げた/.のコメントで秀逸だったネタを少し。
> 「人々の寿命は長くなり、50年間の著作権保護では10代から20代前半にヒットを飛ばしたアーティスト達は生涯に渡る収入が得られなくなってしまった」とのことです。
なるほど、10代から20代前半にヒットを飛ばしたアーティスト達は、50年経つ前に然るべく人生を終了させるべきである、と言う主張ですね。
もともと著作権は『生涯に渡る収入』を意図して50年と定められたわけでは無いので、どうしても『生涯に渡る収入』を実現したいと言う事であれば、寿命を50年に合わせる事は合理的だと思います。
しかし、全てのアーティストが己の寿命を縮めてまで、10代から20代前半のヒットで「生涯に渡る収入」を実現する事を希望するとも思えません。
今まで通り「作品を作り続ける事で生涯に渡る収入を実現する」自由は残すべきです。
あれ? 俺なにか読み違えてる?
もしかして、早死にした人は本人の貰いが少なくて不公平だ!って話でしたか?
なるほどなるほど、それならば不公平の是正のため、遺族に権利が引き継がれないようにすべきですね。
既得利権はごねればごねるほど期間が延びて……
#と、「ねるねるねるね」でここまで考えて続きが思い浮かばなかったのでAC
その後に続くのは
「ウマイ!てーてってれー」
しか無いのではないかと・・・